Plan...

□つー!
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 「まあああるこせんぱあべし!!」

朝、学校へ向かう途中にマルコ先輩の背中を見つけて静かに接近。
そして、距離が縮まったところで一気に走り飛びついたのだが、

綺麗な身の翻しと共に放たれたマルコ先輩の卓越された平手が、あたしを近所の塀に貼り付けの刑にした。

「ううぅ・・・平手は流石に酷いですっ・・」

「変態には妥当だよい」

「もっと酷い!でも、そんなドSなマルコ先輩も素敵!!」

「朝からうるせぇ奴だよい」

「はっ!マルコ先輩、おはようございます!!」

「・・・おはようさん」

「おいおい、幼馴染隣にいんのに俺には挨拶ねぇわけ?」

「あ、サッチいたの」

「お前・・・・」

マルコ先輩そこにいれば、あたしにはそれしか見えなくなる。

「というより、マルコ先輩が美しすぎるので汚いものを目が排除しようと視野が狭まるんだと思うよ!」

「お前なぁ!心の中に留めておけよ!!」

「正直は美徳だと思いまっす!!」

「なんも美しくねぇよ!むしろ道徳に反して人傷つけてんじゃねぇか!!」

それはそれ、これはこれだ。

「ああ、朝日に輝く先輩の髪・・・!!素敵です!!」

「そうかよい」

「一本下さい!!」

「嫌だよい」

「ああああ!大事なこと忘れてた!!」

「髪の毛のことはもういいのかよ」

脈絡もなく話がぶつ切れするが、それはマルコ先輩を前にしては仕方ないことだ。
恋する乙女は顔を赤らめて目を泳がせて言葉をどもらせるが、それと同じことなのだ。
だって、わたしも恋する乙女だから!!

よって、恋する乙女の恋路に割り込んでこようとするサッチは当然、無視。
あたしはパタパタと駆けてマルコ先輩の前に立ちはだかる。
驚いたせいなのかどうかわからないけれど、立ち止まってくれたマルコ先輩が嬉しくて、そのまま抱きつこうかと思った。
でも、それはしようと思えばいつでもできる。いつも痛いガードされるけど。


朝限定のこの儀式は、一日の始まりを告げる大切なものだ。


「マルコ先輩!!」

先輩を見上げて、柔らかく瞼を閉じる。




「おはようのチューをs「もういっぺん夢ン中行ってこい」ぶっ!!」

教科書がぎっちり詰まった鞄で殴られた。


痛い。

愛が痛いよ、サッチ。


朝の日課。


(サッチ、あの変態幼馴染なんとかしろい)
(ははっ!無理だな!!)
(じゃあじゃあ!いってらっしゃいのキッ(少し黙ってろい))



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