この想いを消して
□体育
1ページ/3ページ
「昨日は顔を見せられず申し訳なかった。
少し仕事がごたついてしまった」
体育の時間、
そういって頭を下げてきたのは
防衛省の烏間惟臣。
人の目を真っ直ぐに見て話してくれる。
とてもお堅い人に見えるが
自分をしっかりと持った人だとかんじた。
「いえ、お気になさらないでください。
お忙しいのにわざわざ手間を取らせる
ようなことをしたくありませんから」
「…そうか」
烏間は何か言いたそうな顔をしたが
それ以外は何も言ってこなかった。
言っても意味がないと判断したのだろう。
烏間は迷いながらも
懸命に接しようとしてくれている。
自分もそれなりのことをして
応えなければならないと思った。