この想いを消して
□隣の人
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カルマの指した家は
名無しの家から
ほんの数メートル離れた場所。
確かに近い。
「明日から一緒に登下校できるね」
「何言ってんの?カルマくんと一緒に
登下校なんてしないよ」
「一人歩きは危険だよ?せっかく俺が
好意で誘ってるんだから
素直に受け取りなよ。可愛げがないなぁ」
「カルマくんはいつも一言余計」
嫌だと言っても迎えに来るのだろう。
カルマが強引な人間だということを
名無しは既に学習している。
めんどくさいが
自分に構うことなんてその内飽きる。
今だけの我慢だと言い聞かせて
カルマに了承の返事をし
家へ入った。