この想いを消して

□体育
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「昨日は顔を見せられず申し訳なかった。
少し仕事がごたついてしまった」


体育の時間、
そういって頭を下げてきたのは
防衛省の烏間惟臣。

人の目を真っ直ぐに見て話してくれる。

とてもお堅い人に見えるが
自分をしっかりと持った人だとかんじた。


「いえ、お気になさらないでください。
お忙しいのにわざわざ手間を取らせる
ようなことをしたくありませんから」

「…そうか」


烏間は何か言いたそうな顔をしたが
それ以外は何も言ってこなかった。

言っても意味がないと判断したのだろう。

烏間は迷いながらも
懸命に接しようとしてくれている。

自分もそれなりのことをして
応えなければならないと思った。
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