この想いを消して

□弁当
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ピンポーン…


ピンポーン…


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーン…


「うるさい!!!」


「あはは。おはよー名無しちゃん」



朝からけたたましく鳴るチャイム。

まるで嫌がらせのように
それを鳴らす人物といえば
一人しかいない。


「カルマくん、私や私の家の人に
迷惑かかるなとか考えないの?」

「家の人?名無しちゃん
一人暮らしじゃん」


なんで知ってるんだコイツ。


きっと聞いてもロクな答えは
帰ってこないだろう。

溜息をつき仕方なく
鞄と弁当を持って家を出る。

するとカルマは
不思議な顔をして名無しの
持っているものを見つめる。


「なに?」


さすがに不思議に思い
カルマに聞く。


「いや、名無しちゃんてさ
不器用そうなのに
料理できるんだなと思って」

「殴っていい?」


不器用そうという言葉に
苛立ちを覚えたが完全には否定できない。

料理に関しては
ずっと一人だったため
家事全般はできる。

名無しにとっては
造作もない普通のことなのだが
一般的な中学生からしたら
驚くことなのだろう。

ただずっと一人だったから
と言うと同情の目を向けられることが
多かったため他の理由を考えてしまう。

隠すことでもないが
同情されることは好きではない。


理由を考えているとカルマから
とんでもない申し出がでた。
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