この想いを消して

□赤羽業
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結局休み時間は質問攻めに合い、
一日が終了。

なんだかとてつもなく疲れた。


「はあ…」


溜息を吐くと隣から
クスッと小さな笑い声が聞こえた。

声の方向に顔を向けると
ニヤニヤ顔をしたカルマ。


「お疲れだね名無しちゃん。
今日ずっと質問攻めだったもんね」


彼の目は強い悪戯心が宿っている。

名無しをからかって
遊ぶ気なのは明白だ。

なにせカルマは
名無しが質問攻めに合い
慌てているのを見て
隣で笑い転げていたのだから。

他人のことを言えた義理ではないが
カルマも性格に難がある存在だと
言えるだろう。


「カルマくんは今日ずっと楽しそうだね。
人が大変な思いをしているときに
助けもせず笑ってるし」

「あはは、ごめんごめん。
見てて面白かったからつい」


どこで正直者発揮してんだよ。
っと突っ込みそうになったがやめた。

他人と深く関わる気はない。

どうせあと一年もすれば別れる。

親密になったところで
得なことなんて一つもない。
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