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□お子様ミルクレープ
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楽しみにしていたお昼の時間。学食でカツカレーを頼んで後は運ばれてくるのを待つだけだー♪

いつものように叶絵とおしゃべりしよーっと。

「叶絵!あのね!ん?」


叶絵はポーチからハート型の瓶を取り出し、瓶に入った水を手首にちょんちょんとつけていた。


「それ、香水?叶絵?」
「そうだよ。けっこー、気に入ってんだよね」
「甘い、いい匂いする!どこで買ったの?」
「今度、買いに行く?」「いいの!!?」
「うん。アソコ、分かりにくいしさ」
「行こ!行こ!土曜空いてる?」
「うん。空いてるよ」
「じゃ、土曜行こ!」
「うん」

















叶絵と買った例の香水。早速付けちゃった。

今日は匪口さんの家に行くからやっぱり可愛くしていたいし。



「こんにちは〜」
「よー、桂木。……うっ」
「どうかしたんですか?匪口さん?」
「桂木香水付けてる?」
「はい♪」
「悪いけど、今度から付けんの、やめてくんない?俺、苦手なんだよね」
「えっ………」









この香水を買ったのは甘い匂いがいいな。って思ったのもあるけど、それ以上に匪口さんのためでもあったのに。

そう言われるとショック。










「桂木……?」
「はは、ごめんなさい」「いや、怒ってないからさ」
「ち、違うんです!匪口さんのために買ったから!」
「俺の為に?」
「はい。だって、やっぱり可愛い女の子でいたいじゃないですか」
「分かった。分かったからさ。泣くなよ。桂木」「だってぇ」




匪口さんは私の頭をよしよしと撫でてくれる。


「それに、俺はさ。桂木の元の匂いが好きなんだよ」
「え?」
「桂木の髪って、シャンプーかリンスだと思うんだけどシトラスのすごいいい匂いすんだよね。その匂いすごい好きだからさ。香水使うと、いまいち分かんないっつーか」
「………」
「ま。そういうことだからさ。無理に背伸びしなくていいよ。俺はなんだかんだでお子様な桂木好きだし」
「今!お子様って!」
「そうそう。そういうところ」
「うっう〜////」
「ほら、これでも食って元気出せよな」
「うわー!!!これ、スイートボンボンのミルクレープだ!!すっげー!口の中で広がる甘さは生地からのこだわりからで甘すぎないクリームもこだわりの幻のミルクレープ!!!!!」
「はい、あーん」
「ふほっ………」









この幻のミルクレープはさっきまで苦さを味わったからか特別に甘さを感じた。

このミルクレープを私にくれた、貴方の優しさも特別、甘くて。









「クリーム、ついてんぞ。桂木」
「えっ?」

ぺろ。

(やっぱ、お子様だよなー。ほっぺにクリームとか。……ぷっ)
(もー!笑わないで下さいよ!!)
(ごめん。ごめん。そういうところが可愛いんだけどさ)
(匪口さんのバカー!)
(悪かったって。そういうところが何回も言うけど、好きなんだぜ?)
(……っ////)









end
 

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