駄文

□ナチュラル
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手と手が触れるのは、手を繋ぐ合図。
目が合うのは、キスの合図。
誰も知らない二人だけの甘い決め事。



ナチュラル



優しい、熱を孕んだ視線に一度気がついてしまえばそれは止まらない。
目が合うだけで胸が疼いてしまって苦しくなって。

「キスしても、宜しいでしょうか」

控えめで紳士的な態度の裏にある気持ちなんて、訊かずともツナには解る。


「ダメ、っていったらどうする?」

「そしたら奪います」

途端、息つく隙すら与えられずにキスが降って。
柔らかな体温が薄い皮膚越しに伝わる生々しい感覚に、背筋がぶるりと震えた。
ああこんなにも温かい、なんて。


「……っは、ごくっ…でらく」

「がっついてすみませ、じゅうだいめ」

でも、と獄寺が続ける。
「可愛い貴方がいけないんスよ」


ツナがぷっと吹き出した拍子に、また幾度となく唇が重なる。
いつの間にか互いの唇の甘さに酔っては、深く深く貪るように求め続ける。
ばか、とツナは呟いた。その甘く少し震えた声に獄寺は顔を綻ばせる。

突如上がった心拍数に呼吸も比例するかのようにツナの呼吸は荒くなってゆく。
ほんのり紅く色づいた唇が妙にいとおしくなって、獄寺はツナの耳元で囁いた。


「これ以上のことも…宜しいですよね」

「オレに、拒否権与える気……無いくせに」

でも優しくね、と言うツナの顔は案の定真っ赤に染まって。
頬に一つキスが落とされ、そっと肩に力がかかる。


(いつも君は強引、なんだから)






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だけどそんな、きみがすき!






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