駄文

□さよならのむつかしさなら君から教わった
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この溢れそうな思いを言い表すための言葉なんて、全く知らない。

もし仮に知っていたとしても、

今は言葉を並べることすらもどかしくて堪らない。





唇が唇を求め続ける。
絡み合う舌ごと独占できたら、どんなに幸せか。
執拗に追いかけられている綱吉の唇は紅く、つややかな光沢を持っている。


「……ん…っあ、ご…くでらっ……く、んっ」

顔を左右に向け、逃れようと抵抗を試みる。ベッドがぎしり、と音を立てて沈みこむ。
心からの拒否の理由は、解らないから。相手が誰だろうと、無理矢理キスされて嬉しいわけがない。



「10代目」

低く掠れた声が呼ぶ。言い聞かすような声音にびくっと身体を縮こませ、眉をぎゅっと寄せて切なげな顔をする。

「……ご…くでらくっ……ん…、もう、や、だよ……もうっやめ」
嫌だ、と呟き続ける綱吉の唇を、獄寺はさらに塞ぐ。
口の端を軽く噛み、固く閉じていた唇を開ける。舌で歯列をなぞりじわじわ口内を侵してゆく。


子供のような未発達な骨格にすら欲情して、感情は高まっていくばかりで。抵抗の言葉ひとつひとつにまで、煽られる。
「……そんなに綺麗に可愛らしく、泣かないでください。もっと嫌そうな顔で、俺を殴ってでも抵抗してください」
「綺麗、とかじゃない。とにかく…止めて」
力の入らない腕を突っぱねられたって、誘われている錯覚に陥る。甘ったるい声で嫌だと言われたって、胸の奥がその響きに疼くだけ。
もっと嫌がってくれないと。本能のままに動く身体は、自力で止めることができない。

いっそ、嫌いだと言って突き放してくれればいいのに。嫌だ嫌だと殴って罵ってくれたらいいのに。






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