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□リレー小説(仮)
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*.プロローグ.*
彼女は1人、夜の繁華街にいた。
いれちがいに知らない男たちが話しかけてくるが、その声達は耳に入ってこない。
ただ1つの目的だけのためにネオンがチカチカ光る街中に立っている。
そこに20代くらいのスーツを着たホスト風の男が彼女の前に立った。
彼女はまたか…とばかりにため息をついた。
「…千春ちゃんだよね?」
男は彼女の名を言って続けた。
「剛史なら来ないよ。だから帰りな…」
それだけを告げると男は夜の街へと消えていった。
千春と呼ばれた彼女は呆然と立ち尽くした。
…ただ1粒涙を流して。
これが2人の出会い。
次に2人が再会したのはもっともっと先のこと。
−お互いがお互いを忘れかけていた2年後の夏−