頂き物2
□ケーキときみと
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高2年の夏。
部活以外に刺激のなさすぎる学校生活に飽き飽きしていた俺は、なにか刺激が欲しくて人生初のバイトをし始めた。
家から近くて時給もそこそこで。
味もいいと評判のケーキ屋
余った商品はいくらでも持ち帰りOK
そしてなにより、
労働時間が少なくていい。
そんな俺にとっては好条件で割のいいバイトを見つけたと喜んでいたのだが、
「なんでアンタがいるんでさァ」
「いちゃ悪ィかよ」
「あんたみたいなニコチン中毒者がいたら旨そうなケーキもヤニ臭くて食べれやせんよ」
「んだと!!!!」
「それにアンタ甘いもんは気嫌いしてるじゃないですかィ。なんでよりによってケーキ屋なんだよ似合わねぇな」
「…………べっ、べべべ別に、近いのがここだけだったからだ。大して意味はねぇ」
「へぇ…」
どうやらなにか理由があるようだ。
まぁあまり興味はないが。
(土方さんの弱味でも握ってやりやすかィ)
俺はニヤニヤと笑いながら店長からのレジ打ちや商品の説明を軽く流して聞いていた。
【ケーキときみと】
バイトは順調。
なぜか土方さんとはよくバイトのシフトが被ることがあったが、なぜ土方さんがここを選んだかは未だにわかっていなかった。
まぁそんなことどうでもいいかと思い始めていた頃、あの人は突然にやってきたのだ。
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