頂き物
□俺は、誰?
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日の光が眩しくて目を醒ます。
あぁ、もう朝か。
布団の中に入っているのに今日は妙に肌寒く感じる。
時計を見ればいつもより起きるのが少し遅く、自分にしては珍しいことだった。
それになんだか身体が怠いのだが、今日も仕事があるので布団から出て立ち上がると、用意しておいた隊服に着替え、自室を出た。
「副長・・・・おはよう、ございます・・。」
隊士からの挨拶がいつもより覇気がないように聞こえるのは気のせいだろうか、表情も何処か暗い。
一先ずおはよう、と返事を返し、近藤さんの部屋へと仕事内容を聞くために向かう。
途中、廊下の反対側から総悟が歩いてきた。
また何かやっかむかと思い警戒するが、奴は何もせず黙って俺の横を擦り抜けて言った。
あいつまで元気がないというと、何か事件でもあったのだろうか。
近藤さん、入るぞ。
途中言えば少し遅れて短くあぁ、と返ってきた。
不審に思いながらも室内へと入る。
俺はさっそく今日の仕事の事を聞くと、近藤さんは驚いた表情をしながらもう大丈夫なのか?と聞いてきた。
何の話だよ、と俺は問い掛ける。
「何のって、お前・・・・坂田の事だよ。」
さか、た・・・・・・?
「なぁ近藤さん、坂田って誰だ?」
近藤さんは立ち上がり、俺の頬を殴った。
「いてぇ・・・・、何すんだよ」
「お前、辛いのはわかるがな、そんなこと言うもんじゃないぞ!」
「・・・・・・・・」
「あいつはあいつの信念の元、散ったんだ。俺達があいつの、坂田の生き様を憶えててやってやろうじゃねぇか。」
「は?さっきから何なんだよ、わけわかんねぇ・・・」
「トシ・・・・まさかお前ッ・・・・」
「・・・・・・・・」
がっしりと、俺の両肩を掴み、真っ直ぐに俺の目を見て近藤さんは話した。
「・・・・わからんか坂田銀時、万事屋の主・・銀髪の、・・・・・・・・お前の、恋人だよ。」
「・・・・んだよ、それ。俺が恋人なんて作るわけねぇだろうが。・・・・邪魔なだけだ。」
真選組で、副長で、いつ死ぬかわからない俺が、恋人だの所帯だの、持つわけないだろ。
もし恋人が出来たって、俺は仕事優先だ。構ってられねぇよ。
そう言えば、近藤さんは少し俯きながらも、強く確かな声で話す。
「あぁ、そうさ、確かにお前はそういうやつさ、俺達はいつ死ぬかわからねぇ、でもな、それでもお前は坂田を選んだんだ。真選組を最優先にしろよって、あまり会えないのをわかってて坂田もお前を選んだんだ。」
「・・・・どんな、奴だった。」
「さっきも言ったが、万事屋の主で、家族のように大切にしているガキが二人懐いていて、プーで甘いもんが好きで、人をからかう奴だったけど妙にいろんな奴に好かれていて、銀髪で、侍の魂を持ったいい男だったよ。」
「・・・・そいつ、男なのか。冗談はよせよ近藤さん。俺だって男だぜ?気持ち悪い、プーでんな性格の悪い、しかも男だぁ?そんな奴俺が好きになるわけねぇだろ。」
ダンッと、勢いよく壁に背中を打ち付けた衝撃で俺は咳き込んだ。
「ゲホッ 何っ」
「・・・・もう、いい。忘れちまったなら、仕方ないことだからだ。だが、いくら忘れて坂田の事をわからないとはいえ、それ以上言うなよ。俺が許さんからな。」
俺を睨みつけると、近藤さんは部屋を出て何処かへ行ってしまった。
ーー珍しい・・近藤さんがあんなに怒るなんて・・・・。
まぁ、仕方ねぇか。
散々な言い方したしな、俺も。
銀時は死んださ。
土方は生きているさ。
・・・表面上は、な。
誰も、知らない。
銀時と土方以外。
朝、寒かったのは片方が欠けたから。
朝、起きるのが遅れたのは
朝が苦手な俺だから。
銀時を知らないといったのは
俺は土方で
土方は死んだから。
俺は、俺[銀時]を知らない俺[土方]を演じていればいいんだ。
なぁ?
俺は銀時?
それとも、土方?
わからないでしょ?
だって
俺も、わからないもの。
END
〜あとがき〜
すいません、ごちゃごちゃしすぎて
わけわかんない痛い人になっちゃいました;
あ〜、たぶん、あれ、銀さんですね(言っちゃった)
土方が死んで、土方の代わりに土方(副長)を演じる銀さん。
といったところでしょうか?(聞くな
そして駄文で申し訳御座いませんorz
今後とも宜しくお願いします!!
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