頂き物

□黒執事夢
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「んー…
どこで道間違えたんやろ?」


由宇は大きなお屋敷の前で頭を悩ました。


「ここが誰かの所有地とかなら、完璧にうち不法侵入ちゃうの…」


ツゥーと冷や汗が由宇の頬を滑る。


「おや、そこにいるのは誰でしょうか。」


「ヒッ!!」


突然、後ろから聞こえた声に由宇は驚く。


「ここはファントムハイブ家のお屋敷ですよ。」


口調は柔らかいがあきらかに棘のある言い方。


「す、すいません…。
その、迷っただけや、忍び込もうとかそんなこと全然ッ―」


キュッ、と首根っこを捕まれた。


「止めろ、セバスチャン。」


セバスチャンと呼ばれた男を少し高い声が静止した。


「(誰?)」


「しかし坊っちゃん―…」

「坊っちゃん!?
このちまっこいんが?」


はぁ?と声を荒げる由宇。


「…貴方、自分の状況わかってます?」


セバスチャンのその一言にハッとする。
坊っちゃんはフルフルと肩を震わせていた。


「あの…その、ごめん
い、今の気にせんといて!!
ちょっと心の声が…じゃなくて…だから…」

「プッ…」


焦ってる由宇にシエルが笑った。


「面白い。
おい、セバスチャン。
とりあえずその女性を降ろしてやれ。僕は今ヒマなんだ。」


「あんた…」

由宇は感嘆の声をあげる。


「どっちの方が小さいか気になるからな。」


「…すいませんでした。」
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