triangleな僕恋
□[Act:1]triangleな悪夢
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その日はいい朝だった。うん、我ながら最高の初登校日和だ。
俺は地毛の茶色い髪を撫でられる感覚があったのを忘れなかった。
今時布団で仲良く眠る兄弟なんていないんだろうな、なんて思いつつも左右で狸寝入りを決め込んだ2人の手をつねった。
いてぇ…朝から邪魔すんなよ…などと左から声がした。
金髪をさらっと流して眠そうな目をこすりながら、それでも起き上がる。
「はよ、郁…あーぁ…ん…こいつはまだ起きないのか」
全く…と呟いて揺すって起こしにかかるとこは兄貴だよな、とこっそり思う。
「まだ朝じゃん………寝る」
もう一回布団に入ろうとする黒髪の弟に、馬鹿か、と悪態ついて制服を押し付ける。
「寝る子は育つかもしんねぇが、てめぇは寝過ぎなんだよ!!」
「うるさい…俺は勉強の為にこうやって夜更かしまでして…」
「ゲームでなんとかが裏切ったって言って、延々とテレビ占拠してたのは、何処のどいつだ…!?」
わーわーと騒ぐ2人を余所にちゃっかり着替え終わった俺は、苦笑しながら部屋を出た。
階段を下りてとりあえずは栄養補給をしに、リビングに向かった。