「キャプテンはっけーん!!」


「うおっ!!」







私はモコモコしたそのコートにダイブする



何か、突き破るような衝撃があったのもお構いなく赤いコートを離れずに抱きついたまま



そして、そのコートの持ち主、我らがキッド海賊団の船長ユースタス・"キャプテン"キッド船長は







「いてえ...」







船長室の扉を突き破り、そのままベッドへダイブ







「床じゃなくて良かったですね。」


「・・・・・・」







背中のモコモコに抱きついたまま頬を摺り寄せる私の腕を掴み、ベリベリと効果音が鳴りそうな勢いで剥がされた



キャプテンと向かい合うように座らされた私



目の前には胡坐をかいて不機嫌そうなキャプテン







「ごめんなさい、もうしません。」


「その言葉、何万回と聞いたが守られた記憶は一回もないな。」


「いや、キャプテンを見るとモコモコに抱きつかないといけない病が・・・・」


「それも、何万回と聞いたが、」







不機嫌そうな表情から一変、徐々に危険の香りがする笑みへと変わっていく我らがキャプテンの顔



嗚呼、ここは逃げたほうが良さそうだな



"失礼しました。"とまたしてもモコモコとするベッドからノソノソと降りようとする私の腕を掴まれグイっと引き寄せられると次はそのままキャプテンの胸にダイブ



そこはモコモコなどなく、酷く硬く温かいキャプテンの素肌となる胸の中



へ、ぐりぐりと私の頭は押される







「キャ、キャプ...キャプテン、苦...しい、」


「そんなにこのコートの肌触りがいいなら、トラファルガーの船に乗ればいいだろ。あそこにはクマがいるだろーが、コノ野郎。」


「それは、絶対に嫌!!!」







断固拒否すると頭に回されていた手が離れた


銜えられていた力がなくなり、ふとキャプテンの方を見れば先ほどと違った優しい笑み







「だろうな。というか、その前に俺が嫌だ、」







モコモコに抱きつかないといけない病=愛しのキャプテンに抱きつかないといけない病






そんな口実







(だけどキャプテン、クマ、いいですね!!
飼いましょう!!)

(・・・・・・・)




fin






元気を送る?



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