Flower Dreams

□薔薇の印
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仕事が終わって、愛しの家に帰ってきたけど




玄関の前には百本近くの赤い薔薇の花束




それを見た瞬間、更にドッと疲れた





こんなくさい真似をするのは奴しかいないと





周りを見渡す日々













薔薇の印













家の周りの安全を見渡す









「右よし!左よし!」









自分の周りを見渡し安全確認









「後ろよし!」


「前はどうだろうな?」







背後から、どこか聞いたことのある声



嫌な感じでよろしくないそうだ



このまま振り向かないでどこかに逃げようか



そうだ、今夜は近くのホテルで過ごそう





奴から逃げるため振り向かないでその場から走り出そうとしたとき....









「お帰り」









腕を掴まれた









「た、ただいま」


「家、上がれよ」


「上がれって、あたしの家なんですけども」









不適に笑うストーカー男




クロロ=ルシルフル




先月行われたパーティー会場で出会った男だ



あの日から毎日のようにあたしの目の前に現れる









「難いこと言うなよ」









玄関の前に置いてあった薔薇の花束を拾い上げ、イヤイヤに叫ぶあたしを無理やり家に引きずり込んだ



クロロがいれば、我が家も地獄城へと変わる









「ちょっと、どういうつもりよ。毎日毎日」


「どういうつもりって、お前に会いに来てるだけだろ」









当たり前のようにしかも堂々と玄関で....









「どいて下さい」









壁へ詰め寄られ薔薇の花束を目の前に押し当てられた



薔薇は嫌いじゃない


寧ろ好きな方だ


クロロはそれをいつ知ったのか、毎日薔薇の花束を持ってくる









「薔薇、好きだろ」


「強引なのは嫌いよ」


「情熱の赤い薔薇って言うだろ」


「話かみ合ってないし...」


「薔薇の数がお前への愛の数だ」









未だ、壁に押し当てられたまま


さて、どうやって逃げようか









「生憎、それだけの愛じゃあたしは振り向かないわよ」









言ってやった!!





そう思った矢先にクロロの唇が首筋に押し当てられた









「ちょ、何するのよ!?」









首筋にチクリと痛みが広がった



奴のが顔を上げれば不適な笑み









「まだまだ、これから増やしてやるよ」


「変態!!!!」









叫ぶ声をキスで抑えられ、そのまま点々と赤い薔薇を身体中に散りばめられる




薔薇は好きだけど、強引なのは嫌い



だけど、



クロロの強引さは思ったより嫌いじゃないと思うあたしがいたり....









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