Flower Dreams

□八部咲き
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窓の外は桜の蕾でいっぱい


小さくため息をついた

出会ってから7年目


いつになったらこの気持ちに気づいてくれるのか

「痛っ・・・」

ぼーっと蕾をみていたら頭を小突かれた

「なにしてんだよ。めんどくせー報告書まだ終わってねーだろ」

「シカマルがしてくれればいいじゃない」

「めんどくせーことはごめんだ。それに、おまえがやるっていいだしたろ」

「そうだけどさぁ…」

頭をさすりながらまた窓の外を見た

なにがあるのかとシカマルも覗き込む

「まだ、五分咲きってとこか」
「五分咲きねぇ」

また、小さくため息

「なんだよそれ」

「この桜が五分咲きなら、私の心も五分咲きだなぁって」

「どういう意味だ?」

「なんて言うか、近くにいるのに遠い存在みたいなぁ…。私に魅力がないのかなぁ」

そう言うとシカマルは私から離れていった

「今そんなこと考えるなら、報告書早く仕上げろ」

「なによ。せっかく話聞いてもらおうと思ったのに。この鬼!」

そんな私の言葉も無視

ドアノブを握り部屋からでようとしていた

本当は一緒に居たかったから私が報告書引き受けたのに…

心でそんなことを呟いた


「八分咲き」

部屋からでる前に言ってきた

「は?」

「後ちょっと。俺に言いたいことを言ったら満開になるぜ」

ニヤリと笑ってから部屋を出て行った

なんだ

気づいてたんだ

報告書なんて後まわし

私は部屋を出て行く


end


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