拍手夢・捧げ夢・貰い夢
□またお会いしましょう
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「クスッ・・・可愛いなぁ・・・犬」
彼らは本当にあの忌まわしき力さえなければ、そこらへんにいる子供たちとかわらないのだ
普通の人と変わらない、無邪気な少年が私にはとても可愛く見えた
「・・・ねぇ?骸さん」
「・・・・・・・・」
骸に問いかけてみると、骸は無言だった・・・
ただ、しずかに前をずっと見ていた
「む・・・くろ?」
「ぁ、なんでしょうか」
2回目の問いかけでやっと骸は私に気づいたようだ
「どうかしたの?」
「いいえ、本当に幸せだなぁ・・・と」
骸の顔はとても寂しそうな顔に見えた
愛おしくて、愛おしくて手放したくない・・・・といわんばかりの・・・顔
「何言ってるの!?今からもずっと幸せに生きるんだよ!」
「え?」
「だってそうじゃない!お正月!また来年にはバレンタインだって、夏休みだって・・・いっぱいあるんだよ!?そんな悲しい顔しないで・・・・」
「・・・・そう・・・ですね」
骸は無理やり笑ったような笑みを私に見せた
何?幸せなんてこれかせいくらでもあるのに・・・なんでそんなに暗いの?
その少年が見せる笑みは、私にとって胸を痛ませることだ
そこらへんにいる男の子と変わらない人が、何故こんなにも暗い顔をしなくてはならないのか
骸は言ってた、僕はいっぱいの人を殺した酷い人間です
だから僕には、幸せなどある権利は無いのですよ
違う、そんな・・・はず・・・無い
みんな、人間だ
どんなに酷いことをしたって、貴方は人間
優しくたって、悲しくったって、人間
だって、人間というカタチは絶対に変わらないから
だから、笑ってください
今を大事にしてください
貴方には、今の幸せをぞんぶんに笑って欲しいのです
「骸、幸せはいつか失うものだから、貴方は今、存分に幸せを感じればいい」
「・・・・ぇ?」
「そんな暗い顔をしないで、楽しもう?」
「・・・・・そうですね」
桜歌の言うとおりだ、暗い顔をして幸せを無駄にするぐらいなら
幸せを今、存分に味わえばいい
僕は今、幸せです