気まぐれ小説

□終わってしまった物語
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「ねぇ、その物語の続きは?主人公はどうなったの?」

「さぁ・・・ね」
「えー?なんでー?」

ソファーに腰掛けたお婆さんを揺する小さな手

ピンク色の可愛らしいフリルの服を着た、まだ幼さを残すその顔の少女。
その少女はドキドキしてスリリングで深いお話のこの話が好きだった。



「ねぇ、ねぇ!なんでさーいつもさぁ・・・なの?!」

いつも最後はそうなのだ
さぁ・・・と曖昧な言葉で終わる物語。


早く、ラストを聞きたくて聞きたくて仕方がないのに。


「それはねぇ・・・」
「それは・・・?」

ゴクリ・・・と生唾を飲み込む。

やっと、今まで不思議に思っていたことが聞けるのだ。

おばぁちゃんの顔をずーっと見つめる


そして、老婆は静かにこう言った


「終わってしまった物語だからねぇ・・・・」


と。
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