隠の王

□ユメノカケラ
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『ねぇ、よいて』
『何?みはる』

お互いに名前を呼び合い
普段出さない甘ったるい声で愛しい人を呼ぶ


「明日はどうする?何する?」
「壬晴がいるならどこでもいいよ
でも、2人っきりもいい」


「じゃぁ、明日はおしゃべりする?」

「うん」


そんな、他愛のないおしゃべりを楽しむ僕ら。

「よいてー?」
「みはる?」

ただ、お互いの名前を呼ぶだけでも
心に広がる心地よさ。


「よいて、大好き。」
「僕もみはるのこと、大好き」

冬の風はものすごく寒い。
ベランダに居るものだからものすごく寒い。


それでも、君と手を繋ぐこの手は
とっても暖かい。

肩を寄せ合う僕らは
互いに愛する人の心地よさに身を任せた。


本当は、明日なんかあるか分からないのに

それでも僕らは
「明日何をする?」
と2人で考えるんだ


この寒さの中でも
君の暖かさだけを感じて
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