拍手夢・捧げ夢・貰い夢

□またお会いしましょう
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「分かればよし!」

骸が、やっと明るい顔をした

私にとって、その笑みは大好きなものだから



なんでだろうね、こっちまで笑っちゃうんだ



こっちまで幸せになるんだ



仲間がいるから、私は弱くなった

そう、思った時期があったけど



きっと、違う

仲間がいたから変わったんだ



互いにすがりあって生きていく

その力はとてもすごいもので、安心できるものだと

私は、知ったから



貴方が笑えれば、私も笑う

だって、それが仲間っていうものなんでしょう?



「ケーキ・・・皆で作らない?・・・」

「ぉ、いい提案だびょん!」

「よし!やりましょう!」





そう、今日はクリスマス

楽しく過ごせば・・・いい







「桜歌・・・」

「何?」



「あとで散歩にでも行きましょうか」

「―?いいけど」



今日は皆でゲームして、遊んで、ケーキ作って



とても楽しい日だった



そして、今はもうクリスマスが終わる・・・・そんな時間の11時30分



犬と千種は遊びつかれて先に寝てしまった

他にもM.Mも遊びに来てくれたし、ランチアさんも、他には来て欲しくなかったけど、バーズとか・・・

もきてくれた



「うーん!楽しかった!」

「そうですね・・・」



遊び疲れていた私たちは、涼しい夜風に当たりながら話していた



「あぁーあとさ、雪が降ってれれば最高だったのに」



「あれれ?骸疲れすぎちゃってて眠い?」

「クフフ・・・ちょっと眠いですね」



それもそうだろう、王様ゲーム、ジジ抜き、いろいろなゲームをしたし

疲れても、当然だろう



「桜歌・・・」

「何?」



「すみません・・・犬と千種のことお願いしてもいいでしょうか?」

「は?何を今更・・・」



急に何を言い出すのかと思えば犬と千種のことについて

今までずっと犬と千種の面倒を骸と私で見ててあげたし



何故・・・今更



「僕がいなくなったら彼らは泣くでしょうかね?」



え・・・・・・



「桜歌・・・そろそろ」



何・・・を言ってるの?





「僕は・・・・」



ねぇ・・・・もしかして・・・



「もう」



居なく・・・・なっちゃ・・・・



「―嫌!」

「・・・・・っ」



骸が申し訳なさそうに私を見つめる



「・・・ぅっ・・・ぇ・・・グスン」



頭を下げて泣く私に骸は優しく頭をなでてくれた



でも、彼からの優しさは私の涙を流すばかりだった



「最低ですね、僕は女性を泣かせてしまうのですから」

「ねぇ、置いていくなんてことしないよね・・・」

「・・・・・」



「骸、消えたりなんかしないよね!」

「すいません・・・」



「―っ!なんで!?なんで!?」

「・・・・・・・」



「明日も一緒に暮らすんでしょ!?明日も一緒に笑うんでしょ!?皆と・・・一緒に・・・ぃ・・・」



皆と一緒に笑うんだ

皆と一緒に眠るんだ

・・・・犬と千種と私と・・・・骸で・・・・



それなのに・・・・・



「―っ!」

「わっ!・・・骸・・・・?」



急に腕を引っ張られ、私は骸の腕の中に居た



「すいません・・・でもいつか絶対戻ってきます」

「・・・・本当・・・・?骸・・・・」



「はい」

「んじゃぁ、待ってる、ずっと、ずっと」



骸の体は薄れていた

もう、見えなくなるぐらいの薄さだった



「ずっと、まっててください」

「待ってるから、忘れないから」



ずっと骸を見つめる

もう・・・・ううん、しばらく見れないだろうから



強く、強く、彼の姿を目に焼き付ける



―チュ



「Arriuederci―」



消えかけた体でそっと私にキスをした彼



体は薄れて、消えてしまった



「うん、また会おうね」



涙を流さないために上を向く



「っ・・・・つめた・・・」



見上げれば雪が降り出していた



「なんとかクリスマスに雪降ったね」







「・・・・ねぇ、骸」



また会える、そう信じて



私はまた明日を生きる



未来の幸せを、信じて
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