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□助けた理由?身体が勝手に動いただけ
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《助けた理由?身体が勝手に動いただけ》
ボタボタと左腹部から流れる真っ赤な血にサクラは顔を歪める。
傷を癒そうと手を翳すも、ガサガサっと葉と葉が擦れ合う音に反応し、
バッと素早くクナイを構える。
しかし、茂みからバッと現れたのは、可愛い真っ白いウサギだった。
一気に拍子抜けしたサクラは其の場に倒れ込み、
近づいてきたウサギを一撫でした後、自身の視界を真っ黒にした。
静かに近づいてくる足音にも気づかず・・・・。
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「・・うっ・・・・あ・・・」
「・・・・・・・」
悪夢でも見ているのだろうか、魘されているサクラの額は汗で濡れている。
傷の所為で高熱を出している・・・という所為も有るが。
サクラの傍に居る心戦組副長助勤・・・山崎ススムは、
丁寧に手拭いでサクラの額を拭き、用意していた氷嚢を頭の下に入れる。