□身体は男でも可愛いんです!+他
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《身体は男でも可愛いんです!》
『自来也・・・・・お前に頼みがある』
「な、何だ?」
いきなり電話が掛かってきたと思ったら、長年の友であるアカツキ女子校の校長・・・綱手からの『頼み』という言葉に、
アカツキ男子校の校長である自来也は、碌な事じゃないと良いが・・・と冷や汗を垂らした。
「・・・失礼します」
「おー、やっと来たか!」
会議室に入ってきた人物に、自来也は椅子に座っているB棟の寮長と副寮長である双子の兄弟・・・・長門とペインの前に、
その人物を連れて行く。
アカツキ男子校の寮は、人数が多いのでA棟とB棟に分かれており、
建物自体は繋がっているが、一つの境界・・・・たった一つのドアでしか行き来は出来ない。
行き来出来るのは、AとBの寮長と副寮長だけ。
もし、違う生徒達が通れば、風紀係である角都という男に、
罰金を払わなければならない。
バイトしている生徒達にとっては地獄である。
そのお金は無論、学校の為に使われる。
A棟とB棟の寮長と副寮長が教師より角都にお金の管理を任せたのは、
金銭面には抜かりが無く、大人よりも信用があるから・・・・。
大人よりも貫禄のある角都はB棟側の部屋で、B棟の二人にサクラを任せるのは、
B棟側の方が安心だろう・・・と思ったから。
「長門、ペイン!この子が、昨日言った新しい生徒だ!」
ポンッと生徒の背中を軽く押しながら言う自来也。
生徒は少しよろめきながらも、丁寧に二人に一礼する。
「春野サクラです。・・・その・・・・・・・・」
「・・・事情は聞いている」
「・・・災難な目に遭ったな」
「・・・・・・・・・・」
サクラは伏せ目がちになりながら、自分の胸に手を添える。
『災難な目』とは、己の身体に関する事・・・。