Series

□俺達の妹
4ページ/22ページ




「どうして行ったらダメなの?」

「っ・・・それは、だな・・・」

「・・・・・あっ、お兄ちゃんも一緒に行こっ!それなら良いでしょ?」

「「・・・・・・・・」」


その手があったか・・・と二人は目を合わせる。
サクラは合コンの意味も知らない。自分達がその『合コン』について行ってもなんの不思議もないと思っているのだろう。
男達を威嚇する序でに、二度とサクラを合コンに誘うなと言っておこう・・・と思っている事が同じな双子。

長門はエプロンを脱ぐと、まな板の上に乗っている食材をほったらかしにしたまま、財布を持ち出掛ける準備をする。

ペインもコートを持ってくると、サクラにその大きいコートを着せる。
少しでも素肌を見せたくないと言う兄・・・男心だ。


「お兄ちゃん?」

「・・・コレを着て行くのが条件だ。だが、今日だけだぞ?」

「!!・・うん!!」


ギュッとサクラはペインの腕に抱きつく。素直にサクラに抱きついたりしてもらえるのは兄だけの特権。
長門は、その光景が面白くなく顔をまた顰めてしまうが、サクラが「長門お兄ちゃんも!」と笑顔で手を伸ばしたので、
サクラ限定の笑みを見せると、自分よりも小さいその手を優しく握った。






************










「遅くなってゴメンなさい!」

「別に、まだ他の人は来てないから大丈夫よ。だけど・・・」

「?」

「何で御兄さんも一緒なわけ?」

「えっ、ダメだったの?」

「・・・サクラ・・・アンタもしかして、合コン知らない・・・わよね」


あの二人が居たら合コンなんて知るはずがないものね・・・と、
同級生の梨麻(リオ)がチラッと後ろの席に座った二人に視線を向ける。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ