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□俺達の妹
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「どうして行ったらダメなの?」
「っ・・・それは、だな・・・」
「・・・・・あっ、お兄ちゃんも一緒に行こっ!それなら良いでしょ?」
「「・・・・・・・・」」
その手があったか・・・と二人は目を合わせる。
サクラは合コンの意味も知らない。自分達がその『合コン』について行ってもなんの不思議もないと思っているのだろう。
男達を威嚇する序でに、二度とサクラを合コンに誘うなと言っておこう・・・と思っている事が同じな双子。
長門はエプロンを脱ぐと、まな板の上に乗っている食材をほったらかしにしたまま、財布を持ち出掛ける準備をする。
ペインもコートを持ってくると、サクラにその大きいコートを着せる。
少しでも素肌を見せたくないと言う兄・・・男心だ。
「お兄ちゃん?」
「・・・コレを着て行くのが条件だ。だが、今日だけだぞ?」
「!!・・うん!!」
ギュッとサクラはペインの腕に抱きつく。素直にサクラに抱きついたりしてもらえるのは兄だけの特権。
長門は、その光景が面白くなく顔をまた顰めてしまうが、サクラが「長門お兄ちゃんも!」と笑顔で手を伸ばしたので、
サクラ限定の笑みを見せると、自分よりも小さいその手を優しく握った。
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「遅くなってゴメンなさい!」
「別に、まだ他の人は来てないから大丈夫よ。だけど・・・」
「?」
「何で御兄さんも一緒なわけ?」
「えっ、ダメだったの?」
「・・・サクラ・・・アンタもしかして、合コン知らない・・・わよね」
あの二人が居たら合コンなんて知るはずがないものね・・・と、
同級生の梨麻(リオ)がチラッと後ろの席に座った二人に視線を向ける。