フルーツシリーズ

□ひとつぶの苺
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「はぁ………」

オレはあの時の事を思い出して溜め息を吐いた。

「どうしたの、レン?なんか最近溜め息多いけど…」

洗濯物を取り込みながら兄さんがコッチを振り返る。リンはオレと兄さんを横目で見ながら今日のおやつの苺を一つ、フォークで刺して口へ運んだ。

あなたに告白するのに失敗したからですなんて、リンが居ても居なくても言えない。

「別に……なんでもないよ、うん、なんでもないから…」

半ば現実逃避しながら答えると、兄さんはいきなり何かに気がついた様子でオレに走り寄ってきた。

「まさか、身体が何処かおかしいとか!?」

ものスゴい剣幕だから、この間退院したばかりのオレを心配してくれてるのは判るけど…
……兄さん、顔が近いです…。
キスできそうな距離。

「別になんともな…」

両腕が伸びてきて、片手がオレの顔を包み、もう片方の手で髪をかき上げながら兄さんの顔が近付いてくる。

「ちょ…っ」

うわああーっ…!!!


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