天国への誘い

□ネバーランド
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それから少し走り続け 擬人が突然脚を止めるものだから、彼は擬人にぶつかりそうになった。

彼は頭の上に?マークを浮かべ擬人を見遣ると 擬人は銀時計を見て時間を確認し呟く

「3、2、1…0」

擬人が"0"と言った瞬間 彼等の前に大きな扉が姿を現した。

「………」

彼は絶句しゴクリと唾を飲み込み数歩下がると眼の前の扉を見上げる。ソレは白石に宝石を散り嵌め宝の地図の様な模様が描かれているとても綺麗な扉

彼が扉に見取れていると、その大きな扉には似つかわしく無い小さな鍵穴に擬人が鍵を差し込み 右に捻るとカチャッという音が響いた。

扉は音を立てる事無く静かに開かれる

「さ、僕の役目は此処までです。 お進み下さい?」

「…この扉を越えたら、天国に逝けるんだよな?」

確認する様に彼は尋ねた

「そうですね…この扉の向こう側を天国と呼ぶ者も居ますが…、感じ方は人それぞれですからね。
貴方が逝ってみないと、解りません。」

ニッコリと微笑む擬人に『そっか…』と納得した様に呟き彼は口元を緩めニコッと笑みを零す

「なぁ、逝く前な一つ教えて…?」

「何です?」

キョトと擬人は首を傾けた

「アンタの名前、…何てゆーの?」

予想外の質問に擬人は少し驚きながらも笑顔を絶やさず己の名を口にする

「白兎と書いて、シラトといいます。」



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