天国への誘い

□壊れ運命
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何時からだろう…


死んでも構わない、
この世は退屈で
俺に存在意義が無い…

そう 思う様になったのは



死んでしまいたい…
そんな考えを持つ様になったのは…

……何時からだ?





―――六月中旬
その青年は冷たい雨に討たれていた

高層ビルの屋上に、一人佇み空を見上げ眼を閉じると思い出に浸る。

そこで彼は思うのだ…
何故 俺は存在するのだろう…と、
過去に理由を探すが何も思い当たらず


嗚呼、どうしたらいい?


思考は疑問に侵され答えを探している。存在意義を知らないまま生きるのは、
辛く 悲しく 虚しく、時に狂いそうになってしまう。

そんな時、彼を甘く誘惑する天使の囁き…


『死ネバイイ』


決意が無いなら 人形と変わり無く…
彼を操作する両親と名の悪魔、いくら心が存在しても、彼に決定権は無く…

また聞こえる天使の囁き


『死ネバ楽ダヨ』


悪魔の期待、願い、愛情…
どれも彼は解っているつもりだが、それは拘束でしか無く自由は鎖[トザ]されている

天使が侵して行く


『死ハ選ベル
唯一、生有ル物ガ選ベル…死』


嗚呼、本当…
死ンデシマイタイヨ。

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