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□メイドと遊ぼう
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「言うたな?」

接近してきた侑士の人差し指が岳人の下唇を優しくなぞる。
岳人はキョトンとしてベッドの上に座っている

「…?」


いつの間にかこの部屋の空間は侑士に従うような雰囲気を漂わせている。女性ならそのまま流されてしまうだろうが、岳人はその流れに逆らおうとするのか鈍感なのか、こんな発言をする。

「早くいえよ侑士!何なんだよ条件って!」

「はぁ…自分空気読まれへんやつやなあ…」

「え?空気?」

「なんでもあらへん…」


そんなら、嫌でも従ってもらうわ…


侑士は岳人に「待っててや」と声をかけて隣の部屋に姿を消した。

岳人は何をさせられるのかまったく予測できておらず、侑士を待つ間に推測をはじめた。

「侑士が今入ってった部屋って確か…服がいっぱいある所だったよな」


侑士の家はどちらかといえばお金に困らない家柄だ。
その部屋全体がクローゼットの役割をしているらしい。


「服…?着せ替えごっこでもさせられんのかな…俺」

まさかなーなんてひとりで笑っているとついにクローゼット部屋のドアが開いた。

「岳人ー待たせたなぁ」

「ゆ…侑士?何その服…」

丁寧にクリーニングにだ
されたようにビニールがかけてある。
はっきりは見えないが形からしてワンピースのようで、男物ではないということを知った瞬間岳人は固まった。
そして侑士のもう片方の手には少しヒールの高い黒い靴。


「見ての通り…メイド服やんなあ」

「それ…どうする…つもり…?」

「もちろん岳人が着るんや…これが条件やからな」
ニヤリと目を細めて笑うと、侑士は岳人の反応を伺うことなく、メイド服をハンガーから外し始めている。

「嘘だろ侑士!ていうかなんでそんなの持ってんだよ!」
キモイっとか暴言を吐きつつ岳人は顔の熱が上がって真っ赤になっている。恥ずかしいのか頭に血がのぼっているのかは本人にしかわからない。
いや岳人本人もどんな反応をしたらいいのか混乱しているんだろう。

「跡部から借りたんや…はーいガッチャン袖通してなー」

「まさか跡部の屋敷のメイドさんと同じやつ?!」

「せやなー高そうやから汚さんといてよ?」

そう言いながら自然な流れで岳人の服を脱がそうとしていると頭を殴られた。

「やめ…っばか侑士!そんくらい自分でやるよ!」

「はいはい」

どうやら岳人は心の中で侑士の変態的条件にのることを決意したらしい。
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