五条と私のあれやこれ

□3.五条と焼酎
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何が発端だったのかは今一覚えていないのだが焼酎のボトルを持って五条の部屋の扉をノックもせずバーン!と開け


「ごじょーさーとるー!」


飲ーみまーしょおー!とご機嫌に言葉を開けば五条は着替えている最中であり

「いやんエッチ」

なんて言われたがそれを無視して五条の部屋に足を踏み入れた。もちろん無許可で。


「僕下子だって知ってるでしょ?」
「知らん!んふ!」


五条は着替え、そして私は五条のベッドに腰を下ろすと焼酎のボトルを傾けた。
コラそこ!正しい飲み方じゃないとか言うな、黙ってなさい!

そうして五条はTシャツを着終えると私の前に胡座をかいて座りグビグビと焼酎を傾ける私に


「祝柄はお酒強いのか弱いのか分かんないよね」


と言われ私はヘラヘラしつつも「美味しいと酔うさ〜!」と笑い


「ほれ」


と焼酎のボトルを差し出した。


「いや、だから僕飲めないってば」
「飲みにケーション!」
「それってパワハラ?」
「お前のが立場上、上司!」
「その上司の言うこと聞きなさいってば」


会話がふわりふわりと変わっていき五条は酔っ払いの相手はしたくないという表情を浮かべ、私はもう一度焼酎を煽り飲み


「よし、じゃあにらめっこしよう!私が買ったら飲む!フンス!」
「にらめっこって、子供じゃあるまい」
「五条の面白顔見たさもある!」


僕にとって害しかないじゃないかなんて呟いたその言葉もどこ吹く風で祝柄はベッドから降りて五条と膝を付き合わせて見つめ合う。

一人きりで、眠る前であったため今は目隠しをしていないので透けるような青い瞳を見つめ、酔っ払いの祝柄はグイッと顔を寄せ焼酎の息を吐き出し五条はスススっと後退するも大した意味はなさないでそのまま祝柄と見つめ合い「あ」と呟いた。


「コンタクトしてないんだ」
「一人で寝る前だったからとるさー!よし!」
「いや、よしじゃなくて」


会話が堂々巡りになりそうで五条はため息を吐くと祝柄の顔を両手で包み顔を寄せ、その距離をゼロにした。
互いに目を開けたまま五条は祝柄の真っ赤な瞳を、祝柄は五条の透き通った瞳を見つめあい五条は唇を離すと眉を寄せ


「うえっ……酒くさっ……」


そう呟いた。しかし酔っ払いは更に焼酎を口に含むと五条に唇を合わせてきて、するりと探るように入り込んだ舌と共に焼酎を口移しされてしまった。


「う"っ…ちょ……オ"エ"ッ…」
「んっふっふ!うまかろ?」
「全っ然おいしくない……う"え"気持ち悪っ………」


にらめっこ云々よりも仕掛けた己が悪かったかもしれないと思うのは今さらで血液中にアルコールが回るのを感じよろめきながらも立ち上がり水を勢いよく飲みこんだ。


「…ちょ…うわっ…グラグラする……度数何度だよ……」
「知らん!」


そんな元気のいい返事に五条は頭痛を覚えつつ更に水を飲み込んで、そして祝柄は焼酎を傾けどんどん飲み進めていて。


「まーまー飲も飲も!」
「もー無理…勘弁して下さい…」


早くも訪れた二日酔いにベッドに倒れこめば祝柄はそれを見ながらグビグビと飲んでおり


「下子は大変ねぇ」


なんてしみじみと呟き横になっている五条の脇に腰を下ろし見下ろされてしまうのは仕方無いなさだろう。

あまりにもな気持ち悪さにこめかみを押さえる五条を見下ろした祝柄は一気にボトルを空け終えるとボトルを床に置いたまま立ち上がった。
そうして痛む頭を押さえる五条の部屋から出ていきすぐ氷のうを持ってくると五条の頭の下に滑り込ませタオルも水で絞ると額に乗せてきた。
そんな祝柄はニヤリと笑いちゅっと口付けると


「お休みんご〜」


と五条の部屋を後にした。
翌日も頭痛を覚えている五条に祝柄はケロッとしており首をかしげ笑っていて、五条は二度とするまいと誓ったのは本人だけが知る所。


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