りのりえ

□スナオ
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彼女が好きすぎる故に我慢ばかりしていた。








グループからも離れて距離ができ、お互いのスケジュールもなかなか合わなくて2人でいる時間が少なくなっていた。

彼女が言う少しでも会いたいでも、気を遣ってお互いの時間が取れるときにと延長してしまったり、本当は会いたいのに時間のせいだと言い聞かせていた。



「なんでいるの、」


家に帰ったら付いていた灯り。

消すの忘れたかなんて思っていたら玄関に見覚えのない靴。

リビングに入るとずっと会いたかった彼女が座っていた。

彼女じゃなかったら通報してた。



「おかえりりのちゃん」



久しぶりに聴いた声。
久しぶりに呼ばれた名前。


「なんで、、」

「お仕事早く終わったから来ちゃった」


今までこんなことなかったのに。

しかも仕事終わりだなんて。


「忙しいのに、」

「会いたかったんだもん」


そういう彼女は可愛かった。
髪も前より少し切っていた。
そして少し痩せていた。


「連絡ぐらいしてよ、、だったら時間合わせたのにー


「だってりのちゃん会ってくれないでしょ?」

痛いところをつかれてしまった。
というか自分から投げたんだ。自業自得。


「…ごめん」

「あ、ビール買っといたよ〜」

「ありがとう」


久しぶりの2人きりだからなんだか緊張してしまって、いつもなら隣に座るけど今日はりえちゃんがソファーでその斜め前の床に指原は座った。


「明日お仕事だよね?」

「明日は、、確か夕方に撮影があったような、、」

「忙しいねぇ。ちゃんとご飯食べてる?」

「うん、食べてるよ。あ、明日夕方からだ、よかった」

「明日も仕事なのに来ちゃってごめんね?」

「何で謝るのさ、てか、明日仕事?」

「うん、だけど私も夜のラジオだけ」

「そっか、、」


それからテレビを見ながらいつものように話をした。途中で指原はお風呂に入った。



「今日泊まってく?」


お風呂に出てからりえちゃんに尋ねた。
多分こんな時間に来たということは泊まるだろうと思っていたけど、


「ううん、今日は帰ろっかな」

「え?」

まさかの答えに驚いた。

久しぶりに会えたというのにもう帰ってしまうのか。
しかもお互い明日は仕事遅いのに。

「そっか、、、」

でもりえちゃんが帰るというなら止める権利なんて指原にない。


「このテレビ面白いねぇ、家帰ったら毎週録画しよっと」

「…それオススメなんだ」

「りのちゃんが勧めるの全部面白いもんね〜」

と、テレビを見ながら帰る荷物をしているりえちゃん。


「よし!帰るかぁ〜」

テレビが終わって、りえちゃんが立ち上がってカーテンのところにかけていた上着を手に取ろうとする。


その後ろ姿を見た瞬間、指原はかけよった。




ギュッ



りえちゃんの後ろからハグをする。


「うおっ、、びっくりした、、!どうしたの、、」

「…帰んないで」

「え?」

「泊まっていきなよ」

「…」

「せっかく会えたんだから帰したくない」

「!!りのちゃ、、!!、!!


指原の気持ちはどんどんと込み上げてきて、強引にりえちゃんを振り返させて強引にキスをした。


久しぶりのキスだった。
でもそのキスがやめられなくて何度も何度も求め合う。


「っ、はぁはぁ、、」

「好きだよ、りえちゃん」

「っ、、私も好きだよ、」



指原の心が素直になってりえちゃんは帰ることを辞めてお風呂に入った。



指原はずっと嬉しくてひたすら顔が緩んでいた。


「はぁ〜りのちゃんちのお風呂久しぶりだっー


キャッ



指原はお風呂からでてきたりえちゃんの腕を引っ張って寝床に向かった。



「久しぶりに一緒に寝れる」


りえちゃんを後ろから抱きしめてベットに2人で入った。

本当に久しぶりだった。

「ね、本当だね」


久しぶりすぎてりえちゃんが愛おしくなった。

この華奢な身体も全部包み込みたい。


「ねぇ、りのちゃん」

りえちゃんは指原の方に向きを変えた。


「ん?」

「私に気遣わなくていいからさ、やっぱり会いたい時に会いに行ってもいい?」

「…ごめんね指原が素直になれてなかった。」

「…」

「これからは指原も会いに行く。毎日ぐらい会いたい」

「よく我慢してたね私たち」

「本当だね」


そういって指原はまたりえちゃんにキスをする。
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