短編
□まだだよねの段
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「あとねぇ、健気に先生のしごいてる姿とか…」
恥ずかしい。顔から火が出そう。なんでこんなにしっかりと覚えているんだ。
「何回も何回も顔を見て感じてるか確認したり…」
「詳しく言わないでください〜!」
あまりにも恥ずかしくて私は手で顔を覆ってしまった。
「口吸いされてる時に漏れる声とか、上目遣いで乳首を攻めるところとか…」
「んっ〜!静かにしてください!」
顔を真っ赤にして訴えるも、楽しそうに、ニヤニヤしながら続ける雑渡さんには届かない。
「あとは最後、胸元にどっと出されちゃう所とか」
雑渡さんが鼻先がつくぐらいぐっと顔を近づけてきた。
「あれはそそるねぇ」
瞳の奥には恥ずかしがって顔の赤い私が写っていた。
「んん…」
「でも1番良かったのは…」
雑渡さんの顔が耳元へと移動する。
「私のを一生懸命咥えた破廉恥な、名前だよ」
耳元で囁かれるその言葉にぞくりと心臓が高鳴った。
「もう…やめてください…!」
今にも泣きそうな私に観念したのか、「ごめんごめん冗談だよ」と言って優しく頭を撫でた。
「夜遅くにごめんね。お風呂に入ってすぐに寝なさい?」
そう言って雑渡さんは、私の部屋を後にした。
「(尊奈門に話したらどんな反応するかな…)」
不敵な笑みを浮かべる雑渡昆奈門であった。