Dearest @

□第6話
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アスピオを出て東へと向かう私達。


リタとも少しずつ話をしいく内に何だかんだ仲良くなってしまった女性組。


それに対してユーリはまだ彼女を疑っている様であまりいい顔はしなかった。




「此処がシャイコス遺跡よ。」


無事にシャイコス遺跡へとたどり着いたのはいいけれど、騎士団や盗賊団の姿は確認出来ずエステルは少し落ち込んでいる。


「騎士団の方々、居ませんね……。」


するとここで、地面に残っていた足跡に気が付いたラピード。


「……この足跡、最近のっぽいね。これを見る限り結構な人数が此処に来たってことなのかなぁ。」


ラピードが発見した足跡を見つめるレオナはそっとラピードの頭を撫でる。


「きっとフレンの足跡もこの中にあるんでしょうね。」


「……かもな。」


「ほら、こっち。早く来て。」


足跡を眺めている私達に、リタは早く奥に来るよう伝える。


「モルディオさんは、暗がりに連れ込んで俺らを始末する気だな……。」


「始末、ね……。その方があたし好みだったかも。」


「不気味な笑みで同調しないでよ。」


ユーリの言った言葉に、にやっと笑ったリタを見て少し怯えているカロル。


「な、仲良くしましょうよ。」


「そうそう……。此処に来てもめるのは得策じゃないでしょ。」


エステルとレオナが2人を宥め、落ち着くよう促す。


ユーリは納得していない様子だったが、みんなと奥の方へと進んだのである。







「騎士団も盗賊団も居ねぇな……。」


奥に進んで様子を窺うも、やはり私達以外に人影は無く、エステルの探しているフレンも見つからなかった。


「もっと奥の方でしょうか?」


「奥って言っても……足場もないしこれ以上は進めないんじゃない?それに進んだ所で誰かがいる様には見えないけど……。」


この先の階段の足場は崩れ落ちてしまっているし、耳を澄ませてみても人が居る気配も無いため、落ち込んでいるエステルにの肩に手を置きながら優しく答える。


「まさか、地下の情報が外に漏れてんじゃないでしょうね……。」


「地下?」


「ここ最近になって、地下の入り口が発見されたのよ。まだ一部の魔導士にしか知らされてないはずなのに……。」


「それを俺らに教えていいのかよ……。」


「しょうがないでしょ。身の潔白を証明するためだから……。」


少し考え込んだ後、渋った顔をして答えたリタは崩れかけている階段下の大きな石造の元へ行き、じぃっとそこを見つめている。


どうやらその石造の下から地下へ行けるようだ。


「地面に擦れた跡があるね……。」


「発掘の終わった地上の遺跡くらい盗賊団にあげても良かったけど、来て正解だっわ……。」


「なら、早く追いかけないと……これを動かせばいいんでしょ?」


リタの話を聞き、カロルは一直線にその大きな石造を動かせる位置に走った。


しかし、その石造をいくら押してもびくともしない……。


「……ほら行くぞ。もうちっと頑張れよ。」


息を切らしながら頑張って動かそうとしているカロルに手を貸すユーリ。


そのおかげで石造は少しずつ動き……その下から地下へと続く階段が出てきたのである。


「じゃ、行くわよ。」


リタを先頭にし、その階段を下っていく私達……。


「……誰かいる。奥から足跡が聞こえる。」


「お、あたりっぽいな……。」


「え、ちょ……何で聞こえんの?」


誰かがこの地下の中にいる気配を察知したレオナは前を歩いていたユーリへと知らせる。


しかしその言葉にリタも反応していて……。


驚いた顔をしてレオナへと振り返った。


「言ってなかったけ……天使の能力のおかげで聴覚と視覚に優れてるんだ。」


「聞いてないわよっ!あんた本当に……。もう、帰ったら洗い浚い話してもらうからね。///」


「……はい、はい。」


言葉使いや態度が少し悪かったりするが、照れた時のその表情がとても可愛らしく……

カロルの言った私のギャップとはまた別のギャップ感じるレオナであった。


「遺跡なんて入るの初めてです……。」


「そこ、足元滑るから気を付けて。」


エステルは初めて入る遺跡の中をぐるっと見回すと、目を輝かせながら更に奥へと足を進める。


それを心配そうに見ていたリタに、ユーリはじぃっとその顔を凝視した。


「なに見てんのよ。」


「モルディオさんは意外とお優しいなぁっと思ってね。」


「え、リタはいい子だよ……?」


「な、いい子って何よっ!////……あんたは黙ってなさいっ!!////」


褒めてるのに……。本当に素直じゃない子だ……。そこが可愛いんだけどね。


「リタはいつも1人で、この遺跡の調査に来るんです?」


「そうよ……。」


「罠とか魔物とか危険なんじゃありません?」


「何かを得るためにリスクがあるなんて当たり前じゃない……。その結果、何かを傷付けてもあたしはそれを受け入れる……。」


「傷付くのがリタ自身でも?」


「そうよ……。」


「……。」


「……どうした?」


黙ってリタの話を聞いていたレオナに、不思議に思ったユーリは問い掛ける。
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