記憶の欠片@
□第1話
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「久しぶりだなぁ.....。また戻ってくるなんて....。」
そう呟き、1人の少女が "アリス学園" の門の前で立ち止まる。
「今日から入学する水野花恋です。」
「話は伺っています。中へどうぞ。」
門が開いたため美桜は中へ入った。
車へ乗るよう言われたので止まっていた黒のセダン車に乗り込む。
「学園アリスの本部まで案内します。」
運転手が話しかけてきたが美桜が答えることはなかった......。
本部まで通されある部屋で待たされる。
何分待っただろうか......。
「遅っ....。時間通りのはずなんだけどな。」
美桜は座っていた椅子から立ち上がり、部屋の窓から外を眺めたときだった。
部屋のドアが開いたため振り向くと_____
「....っ!」
(どういうこと?なんで......?)
「久しぶりだな美桜。いや、今は花恋と呼んだ方がいいかな?」
そう言葉を発し、中に入ってきたのは初等部校長だった。
「どういう意味...ですか?」
「もう全てバレている。嘘を言っても無駄だ。」
「.......」
少しの沈黙の後、恐る恐る言葉を発した。
「どうして分かったのですか?」
「新しい部下を増やしてね。その中に"真実のアリス"を持つものがいる。監視カメラの映像ですぐに美桜だと気づいたよ。」
「.........」
「かなり若返っているな.....。アリスを常に発動しているのか。以前より有能になってくれて嬉しいよ。」
美桜は確かに若返りのアリスを発動し10歳のときの体に戻っていた。しかし、常に発動するということは.......体にかなりの負担がかかり、寿命を縮めてしまっているのだ。
不敵な笑みを浮かべている初校長にはそのことも分かってしまっているのだと美桜は思った。