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□強さの証明
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10時、屋内のサッカーコートでは2年生が自主練をしていた。
俺はまだ2年生とはあまり交流がない。まあ昨日入ったばっかりの新入生がそんなにすぐ2年生と仲が良くなってるってありえない話だ。小学校のとき仲が良かったならまだしも、俺は外国にいたんだ。絶対にありえない。
つまり昨日俺にシュートを打たれた西園先輩以外、あまり俺のことを知らない。はずなのに西園先輩が昨日のことを話したからか、みんな俺のことを知っている。
やっぱり最初に口を開くのは松風先輩だ。いや、キャプテンと言う方がいいのだろうか?
「君が信介の言っていた雷皇くんだね!俺は松風天馬、雷門中キャプテンだよ!よろしくね!」
『お願いします!改めまして、俺の名前は雷皇鬼優です。これからいろいろお世話になります。』
そう言って俺は深々と頭を下げた。
「昨日のシュートすごかったんでしょ!あ、俺は影山輝、よろしくね!」
続いて影山先輩が挨拶をしてくれる。
『これからお願いします!』
今、とても嬉しい気持ちだ。
「俺は狩屋マサキ!どーもよろしく!(この1年はいじれるかな…)」
『お願いします!』
あ、ちょっと面倒な人かも、根は良い人なんだろうけどな。と俺はこっそり思った。
「俺は剣城京介。」
『はい、お願いします。』
剣城先輩はクールだな…
「僕はフェイ・ルーンだよ!これから仲良くしようね!」
『はい!お願いします!』
フェイ先輩は本当にうさぎみたいだな
「うちは黄奈子って言うやんね!これから一緒に頑張るやんね!」
「お願いします!」
中学生とは思えない、母性をどこはかとなく感じるな、
「おいらトーブってゆーんだ!これから一緒にウハウハすっぞー!」
『はぁ、、お願いします!』
一瞬リアクションに困ってしまった。
「私は、空野葵!マネージャーだよ!何かあったら遠慮なく言ってね!」
『ありがとうございます!お願いします!』
優しそうな人だなあ、
そんな感じで先輩から自己紹介をされていた。

そろそろ話も終わるとなったとき、ちょうど雨士が来た。
「あ、鬼優くん!やっほー!昨日自己紹介したけど、一応言っとくね、俺は雨士だよ!」
雨士は正直俳優に向いていると思う…
昨日出会って少し意気投合したくらいの仲、という設定をすごく忠実に再現してる。
『やあ、雨士くん!こちらは2年の先輩方だ。ところで、もう一緒のチームになったんだ、呼び捨てでいこうぜ!』
「ああ、そうだな、よろしく鬼優!
あっ、先輩方こんにちは!俺は笠原雨士っす!ポジションはGKです!よろしくお願いします!」


次に雨士が先輩に囲まれて自己紹介してもらってる。しばらくしたら、神童先輩と霧野先輩が来た。
『こんにちは!』
「雷皇か、今日は楽しみにしているぞ!」
『神童先輩、変にプレッシャーかけないでくださいよ…』
「あ、ちょうど2年もいるし、あいつらにも見せつけてやるか、」
霧野先輩がそう言って、2年生の先輩方を呼んだ。

「やっぱり化身から見たいなー!」
キャプテンがそう言うと、その場に異議を唱えるやつなんていない。
『技も見たいってやつですか、』
「ああ!もちろん!無理にとは言わないけどな!」
キャプテンの目がキラキラしてる。おいおい、俺はあんたの後輩だぜ…、少し嘆きたくなったが、まあ見てもらった方がわかりやすい。
『えーと、じゃあ狩屋先輩と霧野先輩、DFお願いできます?』
「いいぜ!」「しかたねーなー、入ってやるよ!」
この時、敏感な人は気がついたか、少し眉を寄せた。俺、ポジション言われてないのに、DFを選ぶって、あぁ、しくじったな。ちょっと不自然だったか……
「よし!来い!雷皇!」
「雷皇くん、手加減はしないぜ!」
よし、やってやろう、と気合を入れて、俺は化身を出した。
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