赤井
□ツケ
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仕事終わりに零さんに車で自宅まで送ってもらい、普段は自宅のドアの前まで送ってくれるのだか急いで別の仕事に行かないといけないらしくマンションの前までお別れした。
自宅のドアを開けると黒ずくめの男が立っていた。
驚き声をあげようとすると口を抑えられドアに追い込まれた。抵抗するのをやめると手が離される。
「不法侵入よっ!」
「知るかっ、言っただろうこのツケは死んでも払わせると」
「随分と執念深いんですね」
「自分がしたことの重大さがわかってねぇようだな」
「ヤリ逃げがですか?だってあなたのSEX気持ちよくなかったんですもん」
うそです。すごく気持ちよかったです。
彼は思い切り腰をぐっと引き寄せ耳に彼の顔が近づくとあれだけよがってよく言うぜと囁いた。
「あれは演技です」
「あ"?」
嘘です。本気でよがってました。
私の言葉を本気にしたのかものすごい形相で睨みつけると、痛いくらいに髪を掴み噛みつくように唇がふさがれた。それはとても荒々しく呼吸する暇も与えてくれない程で深く舌が絡み乱暴に口内を暴れまわった。
唇が離れると掴まれた後髪が痛くて腹が立ったので彼の頬にバチンと音を立ててビンタすると綺麗に入ってしまう。
「強情な女は嫌いじゃないぜ」
上手く呼吸ができないせいで頭がクラクラする。
腰が砕けてずるずるとへたり込みそうになるとすかさず肩に担ぎ寝室のドアを開けるとベッドに投げられた。
彼が跨るとブラウスを思い切り引きさきボタンが飛ぶと首筋、鎖骨、胸と順に唇を落とし、ブラを上にあげ露わになった胸を揉むと硬くなった胸の突起に吸い付いた。
「あぁっ、んんっ、、、」
「それも演技か?」
足を開かされ太ももの付け根にキスをすると、するりと下着の中に手が入り何度か入り口を擦る。
「言ってたわりにしっかり濡れてんじゃねぇか」
つぷっと彼の長い中指が入ると知っているかのように気持ちいいところを擦るのでだらしなく声を上げて果ててしまった。
彼は口元を歪めて笑うとお腹につきそうなほどに硬さをもったそれを当てがい突き立てた。
「やぁっ、、、」
あの日のようにベッドを揺らすように深く強く打ちつけると、彼は私の両手を掴み自分の首にまわした。
「だめぇっ、ああっ、んっ」
「それでもまだ演技だと言うつもりか?」
「はぁっ、えんっ、ぎっ、よっ」
説得力がないぜと彼は角度を変えて押しては引いてを繰り返し動きを早めると唇が降ってきた。
息苦しさと彼が与えつづける快感にんんんっと喉をならすと硬さを増したそれを奥に押し当て熱を放った。
「俺の下にこねぇか?」
「あなたの上になら考えます」
くつくつと笑うと彼の顔が近づき、さっきまでのとは違う唇が重なるだけのやさしいくちづけ。
何度か角度を変えてくちづけるとゆっくり唇が離れる。
彼は私の顔を見るとふっと笑い立ち上がると、土足のままの状態で革靴の底をならし寝室を出て行くと玄関のドアが開き閉まる音がした。
はぁっとため息をつきボタンのなくなったブラウスで前を多い捲り上がったスカートをおろし浴室に向かうと玄関のチャイムが連続で鳴らされ、ドンドンとドアを叩く音がすると○っ、無事か!と叫ぶ声がする。
急いでドアを開けると零さんと秀一さんの姿が。
零さんは私の姿を見るなりふらふらと膝をついた。
秀一さんひどくショックを受けたようは顔で私を力強く抱きしめた。
「秀一さん、苦しいよ」
秀一さんの頭をよしよしと撫でると彼の体が離れる。
零さんに近づきかがむとあなたが殺されたかとと弱々しくつぶやいたので私は生きてますよと彼の頬を撫でると自らの手を重ねると体温を感じ取るように頬を押し当てた。
「なんで危ない目にあってるってわかったんですか?」
「○には悪いと思っていたが、盗聴器をつけていたんだ」
秀一さんはバツの悪そうな顔で私を見る。
「零さんも?」
「・・・ああ」
「えっちっ、スケベっ、変態!」
なっ!と声をあげるが否定はしない彼等。
「私がお風呂から上がるまでに全部外しておいてくださいよっ!」
吐き捨てるように言い残し浴室に向かった。
お風呂から上がるとリビングには2人が立っておりテーブルの上には盗聴器が置かれていた。
「もう本当に信じられない」
「本当にすまなかった、この通りだ」
秀一さんは頭を下げるので少し気持ちが落ち着いた。
「俺からも謝る。君を守るためとはいえ個人のプライバシーを覗き見するような真似をして本当にすまなかった」
「許しますけど、1つ条件があります」
「この生活を終わりにしましょう」
「それでは君の身が危険だ」
「もう彼は追ってこないですよ、実際やることやっただけで、脅されるようなことはしてこなかったですし、本当にもう大丈夫です。」
「それでもヤツが追ってこないという確実な保証はないんだぞ」
彼等はひどく焦った様子だった。
ひとつ面倒な仕事がなくなって楽になるはずなのに。
「それはそうですけど、結局わたしは彼に襲われたときにあなたたちは私を助けられなかったわけですし」
押し黙ってしまったふたり。
「私はひとりで大丈夫ですよ。抱きしめても壊れないくらい、強くなりすぎましたから」
彼等は驚いたように目を見開いた。
「なのでこんなにたくましい私じゃない誰かを守ってあげてください。とはいえお世話になりました。ありがとうございました。」
私はテーブルにあった盗聴器を彼等に渡し背中を押し半ば無理矢理玄関に向かわせた。
「短い間でしたが本当にありがとうございました」
彼等はまだ納得していない様子だったが口を開こうとはしなかった。
あまりにも頼りない背中だったのでたまらず口を開いた。
「あ〜、もう、そんなに心配なら彼氏でも旦那さん候補でも見つけてその人に守ってもらいますから、ね?」
ばっと同時に振り向き最期の望みとでもいうように必死な表情を浮かべたるふたり。
「「俺が彼氏というのは!?」」
変なこと言うんじゃなかった。