赤井

□3人目のターゲット
1ページ/1ページ

セクシーの化身で歩くエロスの彼をホテルに置き去りにした次の日、わたしは招待されていたホテルで行われるパーティーに参加していた。
参加者全員仮面マスクを着用必須でドレスコードは黒・赤・銀とのこと。
身分を隠してひとときの火遊び楽しみたいセレブ達の願いを叶えたなんとも素敵なパーティー。
もしかしたらイケメンセレブとワンナイトできるかもとウキウキが止まらない。
私は赤のドレスに自分へとご褒美にと思い切って買った黒のクリスチャンルブタン。
決めすぎたかなと少し後悔しながら手持ち無沙汰にお高級そうなシャンパンを飲みながらパーティー会場にいる人たちを眺めていた。
すると長い銀髪をオールバークでひとつで括り、高身長、黒の光沢のあるスーツとベストとネクタイ、グレーのシャツ。
黒でまとめられコーデに長い銀髪がよく映えている。革の手袋をしているのは少し不思議に思ったが、彼が動く度にひとつに括られた銀髪の束が揺れるのに目を奪われていた。
顔はマスクを着けているのでよくわからないが顔の小ささと骨格、唇の形から見ておそらくイケメンであろう。
それに30代くらいにみえる。
若くてイケメンで高身長でセレブなんて最高です。
気品溢れるお姿に素敵と見つめているとこちらの視線に気づいたのか彼はコツコツと革靴の底を鳴らして近づいてきた。内心私じゃないよね?と自問自答をしてパニクっていると見事に私の前で足をお止めになった。
やっぱりか。

「おいっ」

気品溢れるお姿というのは訂正。

後ろを左右から確認して私ですか?と返事をするとてめぇ以外誰がいるんだよ、とすごくスパイシーに返事がかえってきた。

「なんでしょうか?」

「付いて来い」

え?と私は彼を見ると彼は立ち止まり頭でこっちだと促した。
内面はちょっぴりスパイシーの彼だがイケメンでセレブなことには変わりはないのでやった〜!とはやる気持ちを抑えて彼を追った。
VIPしか通れない特別な部屋に通されエレベーターに乗ると彼はイヤホンで誰かと話しているようでうるせぇ、黙れ、1時間で戻ると吐き捨てると耳につけていたイヤホンを耳から外してしまった。

1時間!?きゃっ!

最上階に着くと扉の前にはコンシェルジュであろうか人が立っており私達を見るとすぐさま扉を開けてくれた。
彼は無言のまま今度は顎で入れと促した。
部屋はやはりスウィートルームで夜景を独り占めできた。うわぁ〜とはしゃいでいると彼は奥の扉に向かっていったので追いかけるとそこは寝室で大きなキングベットがどっしりと鎮座していた。

「これだけでけぇと色々できるな」

彼はニヤリと口元を歪めると私に近寄りグッと力強く腰を抱いた。
思ったより身長のある彼と密着しては自然と上目遣いになる。大きなキングベッドに半ば無理やり押し倒されると彼は私に跨り唇を近づけてきたのでちょっと待って!と声を上げるとあん?と行儀悪くも行儀良くおとなしく待てをした。

「あなたの顔が見たいです、それに仮面をつけたままじゃキスしずらいですし」

チッと舌打ちをしそれはもう面倒くさそうに仮面を外すと、そこにはクールな目元が印象的な美の神様がご降臨。目つきは鋭いが鼻筋はスッと真っ直ぐで高く均衡のとれた綺麗な顔立ちをしていた。

「これで満足感か?」

「ありがとうございます」

「お前も取れ」

彼はつけていたパーティーには相応しくない革の手袋を慣れた手つきで外し歯で手袋を引っ張る。
すごく妖艶である。
私は仮面の結び目を解きゆっくりと外し彼を見ると彼は虚ろな目を微かに見開きくわえていた革の手袋を落とした。
デジャヴ。
すかさず彼の唇を塞ぐとピクッと身体が反応し思い出したかのようにくちづけに応えた。
先程の強情な態度には似合わない優しくねっとりと味わうようなキス。
少し恥ずかしくなっていると名残惜しく銀の糸が引き唇が離れた。
彼は私のハイヒールを下着を脱がすようにゆっくりと脱がせると足の甲と爪先に唇を落とした。
一連の行動からしてまったく想像のつかない行動をされてドクンと心音が跳ねた。
そんな私をおかまいなしいにスルリと甘美な音を立ててネクタイを外し、綺麗な銀髪を束ねていたゴムを解き、器用に一枚一枚服を脱ぎ捨てていく。
コワモテイケメンでセレブのストリップショーが見れるなんておしゃれに気合いを入れて来てよかったと自分を褒める。
誰しもが見惚れるであろう鍛えあげられた身体はどこにも無駄がない。
雄々しい彼のものにいつのまにか装着されていたスキンを確認すると彼はゆっくりと私の中に挿しこんだ。あまりの圧迫に息をもらすと同じように彼も息を洩らした。
彼はベッドのヘッドボードの縁を両手で掴み、ベッドごと揺らすように深く重たく焦らすように何度も腰を打ち付ける。
私は意識が飛んでしまいそうになるのを我慢してスウィートフェイスの彼にしたように反転させ押し倒した。

「そっちの趣味か?」

彼はニヒルな笑みを浮かべるとふっと鼻で笑ったが不服ではないらしい。
私は腰を動かしながら彼の外した黒のネクタイを手に取り簡単には取れないように彼の両手に結び終えるのと同時に彼の上で果てた。
気持ちよかったぁっと彼から離れ脱がされたヒールを履くと素敵な夢をありがとうございますと告げるとてめぇ、覚えとけよと背筋が凍るような目で睨みつける彼を置いて部屋を出た。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ