弱虫ペダル〜短編〜

□萌えてまうやろ!
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 同じクラスの青八木と手嶋。この二人は素晴らしい。入学してすぐ自転車の事で仲良くしてたのは、知ってる。
 だけど、夏休み終わってからが凄かった。同じ雑誌を見るためか、手嶋が青八木の肩を抱き頬が触れそうになりながら、更に青八木が手嶋にポッキーを餌付けしていた。
 そのあと、思い出し笑いをした手嶋が青八木の耳に口を寄せ何かを囁いてお互いに笑っていたのには平静を装うのは至難の技だった。友人から聞いたが、その時の私はエ○○ンゲリオンの主人公のお父さんみたいだったそうな。
 そして、この前部活の帰りに私がコンビニによったとき、あの二人も部活終わりによったのだろう。その時は手嶋が青八木の腰を抱き、同じイヤホンをお互いの外側の耳に付け聞いていた。しかも、私が凝視していることに気付かない程のくっつき具合。正直悶えた。
 腰を抱くって何!もう、ポジション的に危うかった。危うすぎた。しかも後で気づいたけど、手嶋が青八木の肩に顎乗せてた。これは確実だよね。やってるよね。うん。ってかお菓子コーナーでそんな事しないで!お願いだから!!たまんないから!!!
 で、私は何とか目当てのお菓子を買い店を出ようとしたとき彼を見つけた。古賀だ。古賀は確か手嶋達と同じ自転車部で一年でインターハイに出て怪我した、うんぬん聞いていたけど、部活帰りに一緒に?待ってるのか?・・・・・はっ!?まさかのトライアングル!?手嶋か?まさかの古手か!?それとも二人同時に相手にする器用さを兼ねそなえた・・・!?そういえばホープだとも聞いた。そっちもホープだったかぁぁぁぁあああ!!!!くそぅなんてダークホースだ!
 とまあ、そんなこんなで手嶋、青八木含め自転車部も宝庫なのだろうと思いながら悶えていた。
 そして今日また、あらたに妄想が爆発するでき事が起きた。って言うか起きている。
 今日の家庭科は調理実習でハンバーグと味噌汁を作る(なんという組み合わせだ)という内容。たまたま私と手嶋と青八木の三人という班で作ることになった。本当はもう一人女の子がいたのだが風邪で欠席した。しかも班は前から決まっていたものだからどうにもできない。(もったいない。)
 なので私がその子の分をカバーすることになった。これでも私は料理は得意なのだ。玉ねぎを青八木に切ってもらっている内に手嶋には味噌汁で使う具材を切ってもらう。その間に私はご飯の仕込みと味噌汁の出汁を作っていた。うん、我ながら最高の出汁ができた。と思ったとき、青八木が泣いていた。

「どうした青八木!大丈夫か?」 

 と手嶋が涙をぬぐっていた。何だこの画は。神か。しかも調理実習で青八木の髪があがっていて潤んだ目が手嶋を見つめ、そのまま、吸い込まれるようにお互いの唇が近づき・・・・・・・・


 とは、いかないか。ちっ。

 このままでは埒があかないので、青八木を休ませ早急に作業を進める。手嶋が驚いてこちらを見ている気がしないでもないが気にしない。
君は青八木君を見てればいいの。
 そうこうしている内に、青八木君も復活し、料理もでき食べ終えた。食べてるときは、何か手嶋が美味しいとか言って青八木は頷くというコンビネーション。
 片付けようかと立ち上がると、俺らが洗うから拭いてくんね?と手嶋が言ってきた。どうやら私が大半の作業したからだろう、勿論了承した。
 するとどうだろう。青八木が洗剤をつけて洗い手嶋が泡を流していた。のだが、青八木がネクタイを外し忘れたらしい。泡がついていた。それに気づいた手嶋が。

「青八木ぃ、何してんだよ。俺がネクタイ外すからこっち向いて。」

「・・・・悪い。」



 なんだ、これは。新婚さんか?君達はもう結婚しているんだろ!?もう手嶋の手が綺麗過ぎて女の子に見えて来るじゃないか!しかも受けのが背が高い!最高じゃないか!それに青八木の満更でもないあの表情!あーもうたまんない。

 本当に!


 もう!!

萌えてまうやろ!


〜あとがき〜

 学生時代、こういうのを見て大分盛り上がってしまったんですよね。
 ほんとにあの時の光景は素晴らしかった。


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