スパロボV設定の小説

□奪われた『希望』B
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そして数日後、アキトと万丈とジョーが情報交換している所にルリから場所が特定できた、と連絡があった。
「ルリちゃん。それは本当なのかい?」
「はい。いる可能性がかなり高いです。ですが・・・」
ルリが言い淀みアキトは不思議がるがジョーや万丈はルリの云わんとすることに気付き、
「罠かもしれない・・・かい?ルリ艦長」
「はい。今までとは少し違うんです。罠の可能性もかなり高いです。どうしますか?」
「もちろん行くさ!罠だろうとなんだろうと・・・必ず助ける・・・!」
アキトがすかさず言うと万丈やジョーも同じく頷いていた。
「リョーコさんや三郎太さんにもこの事を伝えてあります。後程合流しましょう。・・・必ず助けましょうね私たちのヒーローを。必ずハッピーエンドにしましょうね。」
「ああ。ハッピーエンドは不滅の約束だ。」
アキトとルリは目を合わせ力強く頷くのであった。

特定した場所は町外れの森が深く人がほぼ出入りが無く家も無いポツンとある廃墟だった。
移動は色々と目立つので近くまで戦艦で行き、そこからは万丈の車で行くことになりリョーコや三郎太はいつでも出撃出来るように戦艦で待機していた。そこに着くまでの間、リョーコとアキトは通信で話していた。
「しかしこんな場所に本当にいるのかぁ?いかにも怪しいです的な建物じゃねぇか。」
「そんな場所に居るわけがないと思わせておいてって言うのもよくあることだからね。それにここなら暴れても被害は少ない。こっちにとっても好都合だ。」
「おい最初っから暴れる前提かよ・・・まぁ事が事だけにそうなるか。北辰に出会ったら即言えよ!すぐ行くからな!」
アキトは「了解」といってリョーコとの通信を終えた。

「舞人・・・待っててくれすぐ行くから」

運転する事10分。廃墟に着き各々武器を持ち入っていった。
中は静まりかえっていて一見誰も居ないように見える。しかし三人は気づいていた、何とも言えない気配がある、北辰のようなそうでないような・・・しかしはっきりと敵意だけは伝わってくる。そんな気配に慎重に進んで行ったしかし何処にも居ず遂には一番奥の部屋を残すのみとなった。
「ここが最後か・・・」
万丈がボソリと呟きアキトとジョーも身構え頷いた
「よし、開けるぞ。」
開けた先にいたのは、
「よく来たなテンカワ・アキト」
「北辰!」
アキトは間髪いれずに北辰に向かっていくが読まれていたのかアキトの蹴りは北辰にガードされた
「舞人を・・・舞人を返せ!」
アキトが北辰に迫るが
「ククク・・・いいぞ。その顔その表情・・・実にいい。安心しろあいつにはすぐ会えるさすぐに・・・な」
「ぐぁ・・・!」
北辰が意味深な言葉を言うが否やアキトを蹴り飛ばし万丈やジョーの攻撃が当たる寸前に単独ボソンジャンプしその場から消えた。アキトはすぐにリョーコに連絡しアキト達も戦艦にもどるのであった。

アキト達が戦艦に戻るとリョーコ達はもう出撃していた。アキト達も各々ロボに乗り
「ルリちゃんこれから出るけど・・・」
「はい、わかっています舞人さんの居場所はまだはっきりとはわかりませんが必ず見つけます。」
「頼んだよ」
「アキトさんもどうか気をつけて廃墟の回りにいくつもの反応があります」
「わかったすべて落とす」
アキト達は出撃していった。

「きたか・・・」
夜天光に乗った北辰や他の敵機体が多数でてきていた。その中に見慣れない機体があったがアキト達はそれよりも北辰を撃墜しようと攻撃を開始し、夜天光に攻撃が当たる寸前にさっき見た見慣れない機体が援護に入り攻撃は防がれた。
アキトは態勢を立て直しその機体に攻撃を開始しようとした時だった、映像付き通信が入ってきたのだった。相手はヘルメットを被っており顔が見えなかった。アキトは舌打ちをしつつ、
「誰だか知らんがどけ。邪魔をするなら落とす。」
と銃口を向けた時だった。



『テンカワ・アキト』
この声は
「え・・・?」
聞き間違う訳がない
『北辰さんの敵』
だって
「まさか・・・」
だってずっと探してたんだから
『覚悟しろ』
「ま、舞人・・・舞人なんだろ!?」
舞人の異常にアキトの顔が曇った
「なぁ舞」
『あんたに名前を呼ばれる筋合いはない』
明らかな敵意を込めた声色にアキトが呆然としていると
「ククク・・・」
「北辰!舞人に何をした!」
「わかっているんではないのか?『何を』したか」
「くっ・・・」
北辰は舞人に向かい
「舞人・・・この際だテンカワ・アキトに顔を見せてやれ」
「はいわかりました」
舞人はヘルメットを脱ぎアキトが見た光景は

敵意を向け、まるでアキト達が「悪」だと言っているかの様な旋風寺舞人だった。
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