エメラルドよ願わくば永久に・・〜緑玉の涙、黄金の魂

□聖なる宝石と濁った魂
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ここに閉じ込められてもうどれほどの日々が過ぎたのか・・・
鉄格子のはまった小さな窓から入る外の光はいつもささやかな物だ。
僕にあんな能力さえなければ・・・
幼い頃は無邪気に祝福された魔法の力だと思っていたが・・・今となっては本当は呪いだったのではないかと思えて来る。
荒々しく重い鉄製のドアが開けられた
またか。もはや慣れっこになってしまい恐怖などちっとも感じない。不快なだけだ。
ドコドカという足音とともに濁り切った野太いダミ声が。する。その言葉の内容も声にふさわしいものだ。
「〜おい、今日こそはそのお上品にすました顔を赤ん坊のようにビービー歪めて泣き喚いてもらうぜ、てめーを見つけ出してとっ捕まえるのにかかった時間と費用を買い手が見つかるまでに取り返してえからなあ」
残りの男どももそうだそうだとうなずく。
これから味わうのであろう肉体的苦痛より彼らのその醜悪さに喉元まで不快感が込み上げてくる。いっそここで吐いてやろうか・・・?
男たちは見るからに固そうな樫の棒、鉄棒などをおのおの所持している。
彼らが『準備』をしている間、僕は思い返していた。
そもそもこうなったいきさつを・・・
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