One day

□In your eyes (旧1 of 1)
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あんなside

違う。
わかってる、この子はこの子で。
異なることに気づかないふりをしていたわけじゃない。

わかっているうえで、求めてる。

繋いだ手の感触も、玄関に躊躇しながら入る様子も、重ねる唇も……

わかって……る……

津波のように私の心を荒ぶらせていた劣情が、オニュの初々しい仕草を認めはじめ……するすると引いていくのを感じた。

(巻き込んじゃ、いけない……)

オニュの歌声が聴きたかった。
癒してもらえればと。それだけだったのに。
衝撃が強すぎてオニュ本人を、体温を求める心を制御できなかった。
交際を申し込まれたのだってそう流れをつくってしまったのは私。せめて答えてはいけないと思ったところにまたあの景色で……

きょろきょろと部屋を見渡すオニュ。
17才……これからの子。

(まだ、間に合う……)

私の弱さに付き合わす前に……

そう思っていたのに。

深いブルーのマットに沈んで私を見上げるオニュ。

あの瞳が、そこにあって。

首の後ろにオニュの手がかかり、引き寄せられる。

オニュの瞳に映る私を見つめながら。
もう手遅れなことなのだと思い知った。



オニュside


キスを重ねるうちに、ヌナの手が僕のパーカーの裾から入ってくる。
かぁっと首筋の裏側に熱がこもり、ヌナの腕を掴んで起き上がり、ヌナと向き合った。
パーカーをインナーごと脱ぎ捨てると、ヌナの肩を押すようにソファーベッドに押し倒す。
ヌナの腕が首に回り、また唇が重ねられる。
不意にヌナの舌が僕の唇を舐めてきて、目眩をおこしてしまった。くらりとヌナの胸の谷間に顔を埋める。
と、ヌナから短いけれど、ひどく甘い囁きが漏れて。
僕は反射的に胸に手を伸ばしていた。

おぼろげな知識を必死に思いだしながら、ヌナの体に触れる。

「……ぁ……ゃ……」

ぴくんとヌナの肌が震える場所に留まり、そうっと動かし続けると、ぶるぶるとヌナの体が震え、

「……オニュ君……服……」

脱がして、と消え入りそうな声で差囁かれ、僕は人生で初めて人に対してこんなに手荒なことをしたかもしれない……
ヌナのニットも下着も力まかせに剥ぎ取って、自分の服も全部脱いだ。

「え、な……」

ヌナの身体にはくっきりとした水着のあとがあって……焼けてない部分は真っ白で、白い水着を着てるみたいだった。
猛烈にエロい。
ヌナ本当は色白なんだ……
ごくりと思わず唾をのみこむ。
もう僕、限界……

「……ヌナ……いいで……すか?」

僕に見下ろされるヌナの力なく開いた目には僕が映っていて。
僕はその自分を見つめながら、ヌナが僕を導いてくれるのを感じ。

次の瞬間、脳内をグチャグチャと握られたかのような衝撃を食らい。

あっけなく、気を飛ばしてしまった……
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