alf laylah

□フルハウス 3
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「ゆうなっ、駄目だ絶対ゆうなと離れるなんてできないっ………ゆうな、ゆうなぁぁぁぁぁぁぁぁ………」
クリスはゆうなを掻き抱きながら大号泣。
「ダディ…………!」
ゆうなも泣きながらクリスにしがみついてて。
でっけぇイケメンおっさんが少女を抱え込んで泣き叫んでるのなんて通報もんなのに、二人のビジュアルのせいなのかいつの間にか、ハンバーガーショップにいた人達に囲まれて拍手なんかされてるし。
を、一人ぽけっと眺める俺。腰いて………
「ゆうな、お願いだから離れないでくれ、ゆうながいないとダディ生きる意味ないんだ………ゆうなが辛いなら長期撮影も受けないし、もう仕事なんてなにもしないでずっとゆうなといるから!!」
「ダディ………………」
クリスはゆうなを抱き抱えたまま、がばりっと起き上がり。
「お願いだから………ゆうな……please、my person who loves it most」
ゆうなの瞼に優しくキスをおとした。
「ダディ………の傍が一番…好き」
ゆうなはそう囁くとぎゅう、とクリスにしがみいて。
「やったあぁぁぁぁ………!」
ゆうなを首にぶらさげながらクリスが片腕を突き上げガッツポーズをしたらまた拍手がおこって。
こ、公開プロポーズ………?
俺は口を開けたままその様子を見ていたんだけど、ふと背筋が凍りそうな視線を感じて目をやる。
え………
シ………?
「やっぱり、こんなことになってる。ゆうな、クリス、家に戻るよ」
シウミンは拍手が鎮まってからクリスに近より、ゆうなをまだぎゅむぎゅむ抱き込んでるクリスの背中をどついた。
「チャニョルも。立てるだろ?」
………さっきの表情……え………?いつものシウミンだよな………?一瞬物凄い怒り?憤り?って感じの目で二人を見ていたような気がしたけれど………
え、でもシウミンって確かクリスの幼なじみで?いつもゆうな関連のサポートしてくれてる友達つか家族みたいな………存在だよな?
俺がクエスチョンマークに溢れてると、帰るよ〜ともう一度言って俺の腕をひいて起こしてくれた。
「ゆうな裸足?じゃぁ、僕が抱っこしてあげるねおいで」
そう言ってクリスからゆうなをもぎ取ると、
「ちゃんと………言えるよね?」
そう言ってゆうなの頬にキスをしたシウミンはいつもの穏やかな表情だったし………
見間違えだよな、うん………
「シウミン、俺がゆうの抱くよ」
「え、だってさすがに僕クリスは運べないよ、ニョル頑張ってね」
そう言われて改めてクリスを見ると………
「はぁー?ん?んんー?!ちょっ、クリスお前なんで靴履いてねーんだよおおおおおお」
「oh、なんでだろうな?」
口をへの字にして首をかしげるクリス………
いや、ゆうなのこと考えてたらいてもたってもいられなくなってなりふり構わず出てきたんだろなってのはわかる………わかっけど!
「お前地震きた時それ絶対すんなよ!」
あっぶねぇったら!
俺は慌ててクリスが怪我してないか調べて、服についた汚れをはたき、その後自分よりでけぇこの天然ぽんこつ超絶イケメンを背負って帰るとゆう苦行を行いました………
「ニョル〜お前の背中乗り心地最悪だ………」
「るっせぇー!ゆらゆらすな!振動くんだよ!俺だって最悪じゃ!」  
あーもー何が悲しゅうて野郎背負ってんの俺!もっとむちむちのおねーちゃんがいいー!
クリスと俺のやり取りを聞いてシウミンに抱えられたゆうながくふくふ笑って。
「ニョルママ、頑張って!」
なんて言ってきたから俺頭きちゃって。
「だぁーっ、ゆうなっほんとにお前のママになってやるからな!」
「あははー、うれしー」
「oh、それは………ニョル気持ちは嬉しいが………俺は………」
「うるせぇ背後黙れ!お前に拒否権ねぇわ!俺いないとろくに仕事できねぇくせに!」
くそーでも、ゆうなの笑顔を見てたらほんのほんのほんのちょっとだけど。
………なってもいいかな、とか思ってしまう俺でした………
しっかしほんっとクリス重えー!

その後しばらく筋肉痛で苦しんだ俺は、ジム通いを決意したのでした………


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