alf laylah

□フルハウス 4
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「ダディ、パレード綺麗だねぇ………」
「うー………見つからない………なぜだ………」
色鮮やかな原色がいっぱい光りながら、ゆっくり進んでいく。
「ウオーターショー、ジョーズ、バックドラフト、ミニオン、3D上映全部行ったのに………!」
隣でクリスがわぁわぁ喚いているけど、私は
(そら無理だわ、目立ちすぎるもんクリス………)
手を繋いで歩くクリスを見つめる。
ただでさえ長身なのにサングラスまでかけて。
私を半分抱き抱えるみたいにして歩いてるイケメンがいたら、そら目立つ。
おまけに有名な俳優。
行くところ行くところ人だかりができるから、そんなの見てたらすぐ逃げれる。
(でも、なつきオンニ達捜しながら色々楽しめたし、ま、いっか)
オンニとまわれなかったのは残念だけど、明日またショッピングとかもできるし。
「………ん?あ、いやがった」
「え?!あ、ほんとだ………」
さすがに暗くなったのとパレードのおかげがクリスへの関心が反れていて油断してたのか少し先のお土産物屋さんの前のベンチに座る二人を発見。
仲良く手を繋ぎながらポップコーン食べてる。
「………ふふふルハン、お前は終わりだ!」
クリスは高笑いしながら二人に向かって駆けていった。

「ひーひー、もー、お腹くるしい、くるしししししし」
「ゆうなちゃん笑いすぎ!」
「ゆうな、いい加減黙れ!殴るぞ!」
もう笑いすぎて腹筋崩壊しそう。
クリスが迫ってきた時の二人の驚きようったら、まじでアカデミー賞もんで。
恐怖にひきつった顔に宙に舞ったポップコーンが最高の背景だった。
「はっはっはっ、正義は勝つ。さぁ、ルハン、行くぞ」
クリスはルハンの首根っこをがっしり掴んで歩き出す。
「くそーパレードのせいだ………」
「全部逃げれてたのに………」
「あ、やっぱりダディずっとバレてたんだ?」
悔しそうななつきオンニも新鮮で可愛くて、私もオンニと腕を組んで強引にお化け屋敷まで行って。
「さぁー行ってこい!!」
「ファイティーン!!」
クリスと一緒に二人の背中を押して、ハイタッチした。

「でね、中から二人の悲鳴が凄くてね、もーぎゃあぎゃあルハンがうるさくて、でもなつきオンニもきゃあーとか大声があがっててね」
「………うん、あのさ、ゆうな」
「もー出てきた時の二人の顔さぁ、鼻水出して」
「ゆうな、あのさ、置いてきぼりにされた俺にお土産は?」
「え………」
「俺さ、お前らが帰ってこない間、そこにいる世界の終わりみたいな顔したシウミンとチャンミン、二人の相手大変だったんだよ………!ギョンスと四人で飯食ったけど俺あんな最後の晩餐みたいなきつつつつつつい飯ほんと辛かったんだよ!ふつー置いてく?あれだけ頑張った俺置いてく?そんなのあり?そのうえお土産もねぇの?」
「………あ、ごめん、あるよ、これ、うん、可愛い」
「何これ?カチューシャ?」
「ニョル、わんって言ってー」
「わ、じゃなくて!」
「私とお揃いだよー、ねー、わん♪」
「………わん………」
「可愛い!ニョル大好き!今度これつけて一緒に行こうね!」
「うんっ!くうううううこのどS姫ーちくしょー可愛いぜええええええええ」

私はチャニョルの頭を撫で撫でしてにっこり笑った。


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