alf laylah

□フルハウス 2
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ゆうなside


「いいか、僕が出迎えるから、クリスとチャニョルはリビングで待機してろ。ギョンス、暇だからって歌い出したりしないように見張っておいてくれ。ルー!はやく!」
「今行くって!そんな苛つくなよ」
シウミンが珍しくピリピリしていて、玄関でルハンとわぁわぁわめいてる。
私はリビングのソファに座り込むクリスの腕の中にがっちり入れられて、髪の匂いをひたすら嗅がれていて。
「毎度のことながら、シウミン荒れるねぇ」
チャニョルがもうちょい丈短いほうがよくね?と言いながらワンピースの裾をまくってくる。
その手をビシッとギョンスに叩かれ呻くチャニョル。
「ん〜今日もほんとに可愛いよ、myangel、mysweetbaby………」
いくら超がつくイケメンにでもこんなことブツブツ言われながらこめかみをずっとぐりぐりされてたら段々嫌気がさしてきてて。
「ダディ、もー髪ぐちゃぐちゃになるからやめぇ」
と唸ってもびくともしない鬼拘束ぶり。
「仕方ないよ、監護権って重要なんだから。なつきさんが持つことになったら、ゆうな、速攻でK国暮らしだね、学校もかえられるし、面会もあっちが承認したらできるって状態になるんだよ」
テーブルの上を丁寧に拭くギョンスが言う。
「え。父親クリスなのになんだよそれ」
「国によって違うんだけど、A国は死別で片親になった場合亡くなった親の血縁に親権が移るんだ。親が再婚した時に、冷遇されないように監視の意味でなんだけど、ゆうなの場合はそれが裏目に出ちゃってるから、シウミンさんとルハンさんが必死なんだよ………おい、クリス、ちゃんとしろよ?」
チャニョルはいきなり顔が青くなって、クリスの腕から私を奪い取って抱きつきいてきた。
「あ、ニョルなにすんだ」
「うっせー、お前もっとしっかりしろよおおお、うおー気軽な親戚訪問だと思ってたぜ俺ずっと………こぇぇ」
そう言いながら、私の髪を必死にまとめだすチャニョル。
「そんな大丈夫だってお前ら」
ふわぁ、と欠伸しながらクリスがごきごきと首を鳴らした。
「は?お前13年ゆうなの父親やってきてんだから知ってただろ」
きゃんきゃんとまくしたてるチャニョルを一瞥して、ふっと微笑むクリス。
「俺とゆうなを引き離すなんて神様がお許しにならない」
そう言って、また、私を抱き込んでくるクリス。
そこに、
「来た!ゆうなっ!」
ルハンが大声で私を呼んで、慌てて立ち上がった。
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