Dawn is invited from devil to the party

□第18話
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「……」


『? アンダーテイカー?』


葬儀屋は珍しく口を開けてポカーンとしている。

リゼが呼び掛けてみても反応はない。

近寄って再び呼び掛けると葬儀屋ははっと我に返った。


『どうしたんだ?

そんなにぽけーっとして…』


「い、いや、なんでもないよ…」


そう言って葬儀屋はぷいっと明後日の方向を向く。


(???)


『アンダーテイカーどうし……!』


「……っ」


途中で言葉がどこかに吹き飛んだ。

葬儀屋は手で口元を押さえていた。

そして彼の頬はほんのりと赤く染まっていた。


(もしかして…)





『見とれていたのか?』


「〜〜〜っ」


葬儀屋の顔がみるみるうちに赤くなっていく。

図星のようだ。


『なっ…!』


(あからさまに反応されるとこっちまで照れるじゃないか‼)


リゼ自身も顔に熱が集まるのがわかった。


「……」


『……』


「あら何ですのこの雰囲気。

私がいる事を忘れてまして?」


ニナが些か呆れたように言った。


「まあいいですわ。

どうです? 私の新作達は」


『…あ、えと、どれも私には勿体無いくらい素敵です』


「気に入ってくれて良かったですわ!

これ全部リゼへ差し上げますわ!」


(全部⁉)


ニナの言葉にリゼは目を見開いた。


『こ、こんなにたくさんもらえません!』


「ヒッヒッ…小生が買ってあげるよ」


『アンダーテイカー!

頼むからやめて!』


懐から財布を取り出そうとした葬儀屋を慌てて止めた。


(通常運転に戻るのが早いな!)


『でもこんな豪華なドレスとか、着る機会ないですし…』


「なら普段使いしそうな物だけてももらってくださいまし」


『でも…』


「せっかくだから貰っていきなよ。 ヒッヒッヒッ…」


確かにニナはリゼの為に作ってくれた物だ。

着るのは疲れたがどのデザインも素敵だと思ったのは本当だ。


『では…いくつかいただきますね』


はにかみながらリゼが言うと、ニナは満足したように頷いた。




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