刀剣乱舞【長編】
□第2振 ブラック本丸へ
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「ここから先はこの本丸の敷地ではなく、加州さんが元々いた本丸になります。」
私たちは一度自分の本丸に来たときに通った門から元いた場所に戻り、そこから例の本丸へと行くために数字をパネルに打ち込んだ。
元々、ブラック本丸へは初心者を教育するプログラムの試験。
と言うことで話が通してあるらしい。
「緊張する……」
私は門の向こうへと視線を向けながら呟いた。
「主ならきっと大丈夫だよ。俺もいるし。」
「そう、ですよね。頑張ります!」
私が意気込むと、加州さんは少し納得いかないような顔をした。
「なんかさぁ、それやめない?」
「?それ、とは?」
加州さんはずいっと私に顔を近づける。
「敬語だよ。敬語!主なんだから!もっと気軽にいて良いんだよ!俺のこともさん付けじゃなくて良い。」
加州さんは頬をプクッと膨らませながらそう言う。
私は驚いて目をぱちくりさせた。
そして、加州さんのかわいさについ笑ってしまった。
「ふふ、それじゃあ加州くんって呼ぶね?」
そう言うと加州くんは満足そうな顔で頷いた。
「お二方とも!行きますよ!」
こんのすけが急かすように言う。
私たちはこんのすけの後に続いて、門をくぐっていった。