長編

□相反する白と黒
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朝の集会が終わり、各々自分の一室に
戻っていく
各自それぞれ、思いを抱えたままに
その、現状に局長はきずいているのか
山崎はわかりかねていた
一応、監察としてはこの現状を報告しなければならないが………副長に


行きたくない、関わりたくないと様々な思いを抱えてはいるが、
その前に、局長に色々と聞き出さないとならないので、局長の部屋に赴いた



「局長、お尋ねしたいことが…」

「ん?おぉ、はいれはいれ」

言い終わるより、先に局長から声がかかる
失礼しますと中に入ると先に誰かが来てたかのように局長の手前に座布団が一つ敷かれていた

「誰か、来ていたんですか?」
尋ねると、坂田がなと軽く言葉を返した
聞こうとしていた事に関係する内容に
一瞬、ドキッとしたが何事もなかったかのように手前の座布団に座り自然な会話になるよう注意しながら、話を進めた


「その坂田さんの事何ですが……」

「おう」

「一応、身分を確認したいんですが」

「何故だ?隊士になるにはそんなことを聞かずとも、剣の腕さえあればいいはずだ」

「はい、ですが、隊士ならまだしも副長ともなると……それに面接の1つもしていません
…………後、あの髪色が」

「あぁ、何だその事か山崎、おめぇ
アイツが外国人とでも思ってんのか?
安心しろ、れっきとした日本人だよ」


………そこぉぉおお?
俺、変なこといってないよねぇ
何でそおなったぁぁああああ?
肝心の所答えてねぇし、このゴリラ!!!
落ち着け俺、落ち着け俺
ふぅとひといきついて他の質問をしてみる

「えっと、出身とかは?」

「年齢は?」

「家族構成は?」

「今までの経歴は?」
何を聞いても、知らねぇとしか
言わない局長にまさかと言う疑念が沸いてきた、声が緊張み帯びた声になりながら聞いた


「坂田さんについて、知ってることは?」

「ねぇよ、何も知らねぇ」

局長は何時も以上に穏やかな笑顔を浮かべてそう答えた

「密偵だったら、どうすんですか!!
何も知らないって、隊士達に示しがつきませんよ!!」

流石の俺も、余りにも危険すぎる行動に
抗議するが、局長は聞く耳を持っていないようだ




「山崎よぉ、なんも知らなくてもいいじゃねぇか、そんなの知らなくても坂田は坂田だよ
それになぁ坂田に言われたんだよ
『守る』ってよ必ず守るってさ
見ず知らずの俺にだ、其だけでいいんじゃあねぇのか?」

「局長………それは騙されてんじゃあ」
確かに局長は、ここ一週間京都に出ていた
その時に何かあったとは思えるが、
其を知っている何者かの敵かもしれない


「俺はアイツの目に嘘はねぇと思うけどな」



俺は局長が話したその後の言葉に衝撃を受けて局長が他にも何かを言っていたが、聞く耳を持てず、副長への報告を忘れて屯所の庭をフラフラと歩いていると



屯所の隅に立派に立ってる1本の桜の幹の前そこに、今、屯所の会話の中心
いや、元凶の
坂田さんが立っていた
屯所の咲きごろの鮮やかな桜が、風に靡き
その風に翻弄された何枚かの花びらが
舞い落ちる
花びらを見る坂田さんの口元が緩く弧を描いていた
それに、衝撃を受けた
さっきまでの無表情やら、やる気の無さそう表情しか見たことがなくて驚いたのかもしれないが




俺が見る、銀色の人と桜が
一枚の絵画のように重なりあいきれいだった


その時局長の言葉を思い出す

『それに、坂田は可愛げがあるしなー』
デレデレがおで愛娘でも、かわいがるような
局長の顔は思い出したくなかったけど


その言葉にあぁ、ほんとだと感じながら
己の頬が熱くなっているのにきずかないほどに


俺は……見惚れていた
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