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□無愛想な兄と能天気な妹10
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「おもむきのある…癒しの空間…?」

「なにかいわく因縁がある…妖怪が巣くう民宿…の、間違いじゃ…無いか?」

「……え?パンフレットには…20年前の写真ですて…小さく書いてある……」

「ま、落ちはうまくいったよな…。燃やすぞ…」

「清志サン…それ、洒落になら無いので…スプリンクラーとかなさそう…です…し…蜘蛛居るし……いま、ゴキブリ今したし!私無理!」

「今度の一軍合宿似たようなもだぞ?宿的に、まぁ人間が経営流石にしてんだろ」

ドアに手をかけた瞬間ばたん!とドアが外れて、ものすごい埃が周りに飛び散りネズミが走り回るのに、宮地ですら硬直する


「あんれまぁ、お兄さん達まさか…福引きで当たったのかい?ここの民宿さ…経営していた夫妻が死んで、一昨年から廃墟になっとるよ?」


と、腰が曲がったおばあさんが、四人を見つめながらそれを伝えると、なんとも言えない空気が流れると途方に暮れる


「…ど、どうするんだ?帰るのか?」

「…熱海まで来て、トンボ帰り…?」

「んー、ちょっと待ってね。もしもし、赤司君?久しぶり…あのさ?熱海に別荘か何かないかな?実は…」   


「征十郎に頼むんじゃねぇ!あとで無理難題をて…遅かった…」


そこは、日本でも5本の指に入る大財閥赤司家の長男をどこかの便利グッツのように使う妹にひきつりながらとはいえ。自分達も二十歳を迎えるまでは月に使える生活費の上限は制限があるだけに、頼れるのはそこしかなく


「え?ある?うん、連絡してくれるの?貸してもらえるだ出もありがたいから!ん?サプライズゲスト?何の事?兄の名前は??怯えて逃げて行ったよ?一字一句間違わずに?いけど。兄の名前は?赤司君から伝言、兄の名前は?よくも、ボクより真太郎を選んでくれたね、ボクの言うことは絶対…つぎ、インターハイで会えるのを楽しみにしてるよ。だって、切れちゃった電話」


「……オレ、死んだわ……」


「私は、絶対にこんな場所で精神修行するぐらいなら…海岸で野宿か兄の名前は?を犠牲にしてでも、衛生的な宿を見つけます。それより何より、こんな化け物廃墟で寝泊まりするくらいなら。真太郎のお父さんからもしもの時は使うんだよと渡されたカードも使うことを選びます!」


そりゃそうだよなと、帰る選択もあるとはいえ…そこは邪な気持ちもあるだけに、まだみぬ赤司に感謝をしながら別邸につくと見事な別荘に全員が硬直すると


「征十郎様からご連絡がありまして、もてなしもできずに申し訳ありせん。どうぞ寛いでください。後程食材などをお持ちいたします」

一礼するとふかふかな絨毯にシャンデリア適度に効いた空調にまるですむ世界が違うと固まっていると

「む?何故…ここに高尾達が居るのだよ?」




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