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□無愛想な兄と能天気な妹2
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新生活のあれやこれやが、落ち着くと部活が開始された。

「新一年の入部希望者は、筆記用具と動きやすい格好で参加することマネージャー希望者はスカート不可、髪は束ねてピアスは外すこと。しまった…ジャージ持ってきてシャツ忘れた…兄の名前は?!シャツ貸して!」


昔から、何かひとつは絶対に忘れる妹にため息をつき、シャツを貸そうとして緑間に油切れしたブリキのように首を動かす


「真太郎シャツ貸してくれ…オレも忘れた……」


それを想定してか、緑間がシャツを持ってきていたものの明らかに、妹の名前は?には大きいのに…どうしたものかと頭を悩ませていたら


「なになに。どーったの?ん?あれ、何か忘れた系?」


「高尾君!シャツ二枚とか持ってきてない?私、ジャージは持ってきたんだけど…普通の女子のサイズは…入らなくて…貸してもらえたら嬉しいんだけど…」

高尾に手を合わせて、拝むように頭を下げながらメンズサイズしか入らない自分が悲しくなりながらも、にこにこと気さくに笑いかけた高尾が鞄をあさりだしながら用意し始めたのか



「ん?いいよ、貸す貸すちょっと待っててなー?てか、兄の名前は?の顔が般若みたいなんだけど?!オレ、バイ菌か何かか?!」



盛大な兄の名前は?ため息が洩れる、それを聞くと、高尾が苦笑いしながら妹の名前は?に手渡すと


「助かったよ!真太郎ごめん、私の荷物お願い先に着替えてくる!兄の名前は?高尾君に喧嘩うちゃダメよ!私の友達なんだから!絶対だからね!」


と、叫ぶとどたばたとトイレに向かい着替えにいくのに、緑間が女子更衣室は用意されているのだよ!と言う声がむなしく響くものの姿はすでになかった



「えーっと…オレ、なんかしちゃった?すっげ、睨まれてるけど…妹の名前は?ちゃんになにもしてねーよ?!」


「…助かった…サンキュ…貸してくれて…」


小さな声が高尾に向けられたのには、緑間自身が心底驚いたのは言うまでもない。あの事件以来だれかに何かを言うことがなかった兄の名前は?が礼を言ったのには、それを聞いた高尾がニッ!っと笑いながら


「気にすんなって!友達だろ!困ったときはお互い様なんだしさ?」 


「おう…」

高尾の持つ空気なのか、ぽつぽつと返事を返す兄の名前は?を眼鏡を引き上げながら、緑間が妹の名前は?の荷物をもちながら体育館に向かい、しばらく待つと着替えてきた本人に荷物を渡して、自分達も着替えに体育館裏を使わされるのは仮入部の身の上としては、少し寂しいながらも着替えると、貴重品はここと書かれた箱に袋にいれた財布と携帯を入れると、教師が箱を閉めて職員室に運んでいったのを見つめる


「新一年集まれ、三年の一軍キャプテンの大坪だすまないな、ロッカーが間に合わなくて次からは、部室が用意されるから安心してくれ、終わるまでは貴重品は職員室で保管される。早速だけど部活公式ジャージ購入書と必要書類を書いたら、ミニゲームをしてもらおうと思う」


何でオレがと、ぼやきながらマネージャーになるべく集まった女子に宮地かため息をつきながらだるそうに話始めると明らかに、女子の中で飛び抜けてデカイ女に目をやると、さっき新一年の中に見た瓜二つな顔に。こいつ噂の双子の妹かと納得しながらも


「絶対に体育館に入ったら私語をして、ボールから目をそらすなんてするなよ。逃げれないと感じたら頭に手を当てて背中をボールに向けること。あと、恋愛は禁止じゃねぇけど。騒いだら埋める」


本当にこいつらに勤まるのかよと思いながらも、真面目に説明して男子よりも早く散らばっていったただ、ひとつ気になったのは、内肘から手首にかけて深くケロイド状の傷跡を持つ後輩の姿に



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