闇夜に舞う服部の相棒W
□第9話
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警視庁
「まさか森山さんが日本に戻っていたとは…」
バタン
『遅れま…した』
「亜夜!」
『悪い…続けて』
「えぇ」
「この二人が殺害されたとなると、ハンターが犯人であることは間違いなさそうですね」
藤波さんと森山さんである
「はい…弾丸もハンターの愛用するMK-11の口径と一致しています」
「また、両被害者の狙撃現場もハンターが犯人だということを物語っています」
「…というと?」
「それに関しては…赤星くん」
「はい!」
「藤波さんはいつも、カモにする顧客を高い場所に招待し、不良物件を紹介していたそうです」
「だから、高い場所で狙撃されたっつーわけだ」
「はい…不動産関係者によると…藤波さんは、ベルツリータワーのプレオープンチケットを裏で大量入手し、毎日のように同じ場所から物件をプレゼンしていたそうです」
『スナイパーにとって格好の餌食だな…そりゃ』
「どういうこと?」
『毎日のように同じ場所でプレゼン…ベルツリータワーから狙えるビルは沢山ある』
「えぇ…」
『何度も下見に行けば…』
トンッと自分の心臓を指で指す
『ピンポイントで心臓を一発……つまり』
「あ…」
『分かったか…計画的狙撃ってわけ』
「そして森山さんについても…愛する妹との婚約を破棄するし、別の女性と結婚した…」
「その愛の巣である自宅前を、敢えて殺害現場に選んだんでしょう…」
「森山さんは、料理教室を終えた奥さんを、毎日同じ時間に迎えに行っていたそうなので、そこを狙い撃ちされたと思います…」
「狙撃事件当日、扉と監視カメラが銃で壊され、侵入を許してしまったそうです」
「いかにもシールズのスナイパーといったところですね…」
「えぇ…」
「綿密な計画といえば、今回も空薬莢とサイコロはあったのかしら…」
『あぁ…あった』
「えっ?!」
『狙撃地点にあった』
「亜夜が見たの?」
『あぁ…目の前で森山さんが射殺された』
「「「「!!!」」」」
『サイコロの目は3…確か前は4だったよな』
「これってまさか、カウントダウン?」
「!?」
『そうか…』
「だとすると…このハンターがこの日本で標的としているのは全部で4人!」
『既に殺された藤波宏明さん、森山仁さん、そして残る2人も順に殺害。』
「狙撃地点にそれぞれ…2と1の目のサイコロを順に置くつもり…」
「まずいな…この推理通りだとすると…残り二名は…」
「えぇ…間違いなく…」
「ジャック・ウォルツさんとビル・マーフィーさんでしょうな…」
「その二人ですが…各県警から今回の狙撃を聞き」