闇夜に舞う服部の相棒
□第1話
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「まるたけえびすにおしおいて〜♪
よめさんろっかくたこにしき〜♪」
何処からか少女の歌声が聞こえる
色黒の少年は床に打ち付けた後頭部を擦り、格子窓に近づいた
「しあやぶったかまつんごじょう♪
せったちゃらちゃらうおのたな♪」
「ろくじょうひっちょうおりすぎ♪
はっちょうこえればとうじみち♪」
桜の花びらが舞い散る中、少女は手鞠唄を熱心に鞠をついている
「くじょうおおじでとどめさす♪」
その唇にはうっすらと口紅が引かされ、着物を羽織っていた
ブォオー
強い風が吹く…そしてすぐに目を開ける
「………え?」
そこには、さっきいた少女の姿はいなかった
少年は驚き、さっきまでいた少女の場所に靴を履かずに行く
キラリ
少年の足元には小さな水晶玉が転がっていた